ゲンナジー・ゴロフキンvs村田諒太。

「日本ボクシング史上最大の戦い」という文字があちこちのメディアで踊っています。

間違いありません。

日本史上最大の戦い、です。

それにしても、矛盾に満ちたメガファイトです。

まず、両者のフレームの違い。村田の右は長距離砲の性格も秘めていますが、根本的に距離を潰すファイターです。

一方、村田よりもサイズが小さいGGGはジャブを起点に自分の距離をキープして戦うのが基本ライン。

大きな村田が距離を潰しにかかり、小さなGGGがそれをさせまいとする、フレーム的には矛盾のある戦いが繰り広げられるはずです。
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更に、この試合そのものが大きな矛盾を抱えています。プロボクサーとして遥かに格上のGGGが、アウエーの日本のリングに引っ張り上げられるのです。

GGGに挑む日本人は村田で3人目ですが、淵上誠も石田順裕も日本でGGGと戦うなんて、ツユほども考えられませんでした。

つまり、この試合のAサイドは村田。ところが、オッズも戦前予想もBサイドのGGGに大きく傾いている、という倒錯。

例えば、マニー・パッキャオが、フロイド・メイウェザー戦のマニラ開催を画策するなんてありえません。

ゴロフキンが、カネロ戦を母国カザフスタンのカラガンダで戦うなんてこともあり得ません。

村田と、パッキャオやゴロフキンとの決定的な違いは五輪で金メダルを獲ったかどうか、ではありません。

村田はフィリピン人でもカザフスタン人でもない、日本人だという一点、それが決定的な違いです。

もし、パッキャオが日本人ならメイウェザー戦を東京ドームに引っ張り込んだかもしれません。

そうでなくとも、彼が手がけたメガファイトのいくつかは日本で挙行されていたはずです。

ひたすら誠実にプロボクサーという職業を追求した本物のチャンピオンが、アウエーのリングに引っ張り込まれるのです。

そんなことは、日本のファンだって百も承知です。

また、GGGも村田が、ポーランド人のカミル・シュメレタらと全く違う、自分を引っ張り込むだけのマネーとコネクションを持つ〝大金持ちのお坊ちゃん〟であることをはっきり理解しているはずです。

そして、だからこそ油断のならない相手だということも。


4月9日、5日後のさいたまスーパーアリーナ。

パイレーツ・オブ・カリビアンのメロディが場内に流れると大声援が巻き起こるでしょう。

そのあと、セブンネーション・アーミーの旋律を聞いた巨大アリーナには尊敬と畏怖の拍手が響きわたるはずです。


そして、お断りしておかなければならないのは、この試合が「日本史上最大の戦い」であることは間違いありませんが、これは9月にも更新されるかもしれないということです。

わずか5ヶ月だけ看板を出す「日本史上最大の戦い」です。

たっぷり楽しみましょう。