ロシア・エカテリンブルク RCCボクシングアカデミー
ザウル・アブドラエフvsホルヘ・リナレス
27歳のWBCライト級のシルバー王者アブドラエフは15戦(14勝8KO1敗)のキャリアで15戦までをロシアで戦い、そのうち12試合を完全無欠のホーム、エカテリンブルグのリングに上がってきました。
一方のリナレスは〝宿無し〟のロードウォリアー。47勝29KO6敗、歴戦の36歳は韓国とアルゼンチンで1試合ずつ、パナマで2試合、英国で3試合、母国ベネズエラで4試合、メキシコで5試合、米国で13試合、日本で25試合と8カ国で戦い、今回のロシアで9カ国目。
米国、英国、日本で大きな爪痕を残したものの、どこの国でもリナレスは異邦人でした。
帝拳&ゴールデンボーイ・プロモーションズから、完全敵地のエカテリンブルグを本拠地とするRCCボクシングプロモーションズと契約したのも、より多くのチャンスと報酬を求めてのことでした。
ともにWBC王者デビン・ヘイニーに敗れているものの、主役はアブドラエフ。3階級を制覇した36歳の勇士は、ロシア人が世界へ再挑戦する滑走路に選ばれたのです。
序盤から危険な距離でパンチを交換する緊迫した展開は、リナレスがペースを握っているように見えました。
しかし、Aサイドのロシア人はしつこいボディ攻撃で反撃、リナレスもアッパーで対抗。
ポイントで劣勢と見たアブドラエフのコーナーは8ラウンドから猛攻を仕掛け、リナレスを追い詰めます。チャンピオンシップラウンドもロシア人の攻撃にリナレスは押されっぱなし。
最終12ラウンド、アブドラエフの左フックが炸裂、リナレスはもんどりうってダウン。立ち上がったところを再び左でダウンを追加されてしまいます。それでも立ち上がったリナレスでしたが、ロープに詰められて猛攻を受けたところでレフェリーストップ。
アブドラエフにとってはキャリア最大の勝利。
アンダードッグだったとはいえ、36歳のリナレスにとっては厳しい敗北となりました。
残念な結果でした。
リナレスのスピード、キレ、反射は全盛期とはかけ離れているように見えました。
もし、人気階級で活躍を続けるリナレスが日本人なら敵地のプロモーターと契約することはなかったでしょう。
大健闘のワシル・ロマチェンコ戦も、上階席を封鎖した寂しいマディソン・スクエア・ガーデンではなく、日本の大会場で行われていたかもしれません。
あるいは、マディソン・スクエアに多くの日本人ファンが詰めかけ、フルオーブンのスポーツシアターで、あの熱戦が繰り広げられたはずです。
そんな、どうしようも無いことをボヤいても何も始まりません。
〝宿無し〟のベネズエラ人が、エカテリンブルグでAサンドのロシア人に最終回で捕まってしまった。
それだけが事実です。

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