羽生結弦。

まず、偉大なアスリートであること。震災から立ち上がる東北のアイコンということ。

問答無用で尊敬するしかない対象であることは認めますが、正直いうと好きなアスリートではありませんでした。

「採点競技」で「おばちゃん」が騒ぐ斎藤佑樹や石川遼と同じ臭いがする。

男子のスポーツなのにヒラヒラしてて「キモい」。

「採点競技」「おばちゃん」「キモい」…全部、私の主観です。

愛読するSports Illustrated誌などの記事を読むと、彼がどういう存在なのかを客観的に知ることができましたが、それでもやはり私が惹きつけられるアスリートではない、と決めつけたいました。

彼が今日、午後6時半から記者会見を開き、フリーの前日に捻挫をして、歩くのもままならない状態だったことも明らかにしました。

このタイミングで、何が目的なのかはっきりさせないまま、27歳の五輪連覇王者が開いた会見には、多くの人が戸惑ったり、敗者の言い訳に聞こえた人もいたでしょう。

彼のことを全く知らない、むしろ遠ざけていた私がこんなこと書くのはおかしな話ですが、あの会見は100%言い訳を目的にしたものではありません。

あの次元の人が、そんなつまらないことするわけがないのです。

大きな故障をしていたことを試合後に明らかにする、なんていうのはどうしても言い訳にしか聞こえません。
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「減量苦で立ってるのも精一杯だった」(メッグン・3Kバッテリー)。「肩を怪我していたのに、ドーピング検査に引っ掛かるから痛み止めも飲めなかったん」(フロイド・メイウェザー戦)。「風邪をひいててずっと調子が悪かった」(ジェフ・ホーン戦)。

ロベルト・デュランは論外にしても、マニー・パッキャオや高橋尚子も〝言い訳の百貨店〟でした。

予定されていた記者会見で言い訳した彼らと、自分で記者会見を開いた今日の羽生でしたが、彼らは同じ種類のスーパースターです。

自分をずっと応援してくれている人たちに、普通に何があったのかを報告する、そんな気持ちだったに違いありません。

だから「負けた言い訳」と受け止められるかもしれないことをわかっていても、全く恐れずに平然と話すのです。

普通のアスリートは、怪我は隠します。ましてや、試合直後にそれを、自分から口にすることはありません。

普通なら。

しかし、彼らは普通ではありません。

パッキャオはフィリピンの王様で、高橋は日本の女王様で、羽生は王子様です。

下界の人間とは感覚も感性も神経も、全く違うのです。
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羽生についていうと、勇気の極彩色を重ね塗りしたフリーの演技、あれは「SPで出遅れたから一発逆転を狙ったのか?」それとも「SPで1位だったとしても4Aに挑んだのか」、こんなことが気になるのは野暮にもほどがありますが、もし、後者だとしたら…。

私は、羽生結弦の本質を知るのが遅すぎたことを激しく後悔するしかありません。

彼は〝パッキャオ〟だったのかもしれません。

「SPで1位だったとしても4Aに挑む」。

それは、こういうことに似ています↓。

「SP(軽量級:マルコ・アントニオ・バレラやエリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスら)で1位だったとしても、4A(オスカー・デラホーヤやフロイド・メイウェザーら)に挑む」。

実は、羽生の記者会見はオンタイムで見れませんでした。

会社のバカどもらが「何がしたかったんですか?」というから「羽生の動機や目的がお前にわかるか」と答え、別のバカの「あれ。言い訳ですよね?」という問いには「お前が言ったら言い訳。では羽生が言ったらどうなる?」と禅問答。

負けた後に、また良い意味でモロモロ引きずる…ってのはスーパースターの特権ですわ。