ファイティング原田とエデル・ジョフレ。

輪島功一と柳済斗。

辰吉丈一郎と薬師寺保栄。

畑山隆則と坂本博之。


ライバルたちの決闘、その熱狂が聞こえなくなって長い時間が流れました。

世界の強豪との対戦。そして、同胞対決。

競技者のキャリアに強烈なリズムを刻んでくれるのはライバルの存在なしには考えられません。

もし、原田の戦績にジョフレがいなければ?

辰吉と薬師寺が、あのタイミングで邂逅していなければ?

畑山があのとき、坂本を選ばなければ?

輪島が柳との対戦に熱い血を沸騰させなければ?

モハメド・アリがジョー・フレージャーとジョージ・フォアマンと戦っていなければ?

マニー・パッキャオのキャリアからアントニオ・マルコ・バレラとエリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスとの激闘が引き算されたら?

ライバルの存在。それは、運任せ。神様が配剤してくれるのを待つしかありません。

井上尚弥が「強いメキシカンのライバル」をいくら欲しても、そんなのバンタム級にはいないのですから。

モンスターの近未来に然るべきライバルが立ち塞がってくれるでしょうか?

唯一無二を目指す井岡一翔は、ファン・フランシスコ・エストラーダの待つリングを手に入れることが出来るでしょうか?



原田や輪島、辰吉、畑山、アリ、パッキャオは運が良かった…本当にそうだったのでしょうか。

彼らの火を噴くような情熱が、ライバルを呼び込んだ、それどころかライバルの輪郭を形成したとまでいうと、言い過ぎでしょうか。

ライバルの存在。そこには、本当は神様や運など介在していないのかもしれません。