渡りに船、なんてラッキーは滅多にありません。

遅い昼食をラーメン一杯で済ませて、どこぞに飲みに繰り出そうとお店に電話したものの、どこも休業。

オフィス街の日曜日ということもありますが、やはり明日から発出される緊急事態宣言。

明日からまた休業するのに、ただでさえ人気のない日曜日は店を閉めるという判断です。

大人しく帰るか、と思ったところに、この間、急なお仕事をお願いした別部署の社員から電話。

そういえば、お礼にランチ寿司をおごると言ったっきりだったことを思い出しました。

「すきやばし次郎」がいい、と戯けたことをほざいてましたが、今、同僚と車で近くに来てるから大井町で飲まないか、というお誘いでした。

大井町…何回か飲んだことがあります。

酔っ払いにとってはパラダイスやヘブンと呼んでなんら差し支えもない素晴らしい町です。

2人は4月から駅近の会社の借り上げマンションに住んでるのですが、女では入りにくい飲み屋が多いというのでした。

大井町の飲み屋で、すきやばし次郎をチャラにしてくれるならお安い御用です。

さらに車の中で、私の愛する赤煉瓦が大井町には結構あると教えられました。

お誘いを受けない理由がありません。

駅前のショッピングセンターに車を駐めると、日のあるうちに赤煉瓦へ。

雲行きは急激に怪しくなり、遠雷まで聞こえて来ました。2人は「赤煉瓦は今度にしましょう」と尻込みし始めますが、ここまで来てあとには引けません。

雨にあうと大変だから傘を買おうという2人にも、私は「そんな激しい雨にはならない」と適当なことを言って出発。

線路沿いを歩き始めて3分後、生涯トップ3には入ろうかというゲリラ豪雨に降られました。

「だから何回も傘、買ってから行きましょうって言ったじゃないですかー!」と悲鳴のような怒号をあげる2人。

あっという間に、3人ともプールから上がったレベルのズブ濡れ、びちょびちょ水浸しに。

これ以上歩くのは無理と、1人のマンションにビバークしてお着替え、今度は傘を持って再挑戦。

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おお!JRの線路の向こう側に、確かに赤煉瓦の倉庫が!

さらに進むと、日本ペイントという会社の構内にも赤煉瓦が!
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見事なイギリス積み、やはり明治の建設です。

そして、さらに進むと天龍寺という寺院の壁の一部が赤煉瓦塀になっているではありませんか!

こちらも、丁寧なイギリス積み。
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こちらも、丁寧なイギリス積みです。

煉瓦が欠損した隙間にコンクリート片をはめ込んで補修しています。

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いきなり現れる、日常の赤煉瓦。赤煉瓦ファンにとって至福の瞬間です。


「もう気が済んだか?早く飲みに行こう」という、赤煉瓦の素晴らしさを理解できないゆとり世代のバカ女を説き伏せ、さっき線路の向こう側に見えた倉庫みたいなのにも行ってみようと、高架下の小さなトンネルをくぐりました。
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これ、です。↑

人の気配のする建物に「すみません、敷地に入ってあの建物近くで見てもいいですか?」と声をかけても誰も出て来ません。

大声で何度か繰り返すと、ゆとり女は「変な人だと思われて恥ずかしいからやめて下さい。もう行きますよ」と迷惑顔。

「変な奴と思われるのは俺だから、ええやろが」と言っても、二人は「仲間だと思われる」「すぐ近くに住んでるのに」とものすごく嫌がるので、仕方なく、お店に向かうことに。
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立ち食い寿司から、牛タンへ。そして、地下バー。

会社の愚痴や、希望部署、転職の話などなどを聞かされながら、3軒はしご。

彼女たちは、自分の長女と同い年なので、世代ギャップは少なく、きっと二人も父親と話してるような感じだったかもしれません。

赤煉瓦と酒場のある大井町、素晴らしいです。

そこで、彼女たちが愚痴る嫌なことの一つに、何かにつけて「ゆとり世代」でくくられることだと、訴えてきました。

私の場合は悪意が感じられないけど、明らかに見下してくる人も多いと。

「俺も十分悪意あるんだけど、伝わってなかったのか?」と、子供くらいの年配のゆとり女子と酔っ払い「今度、嫌な感じでゆとり世代と言われたら『ゆとりじゃないです。大谷世代です』と返してやれ」と助言してあげると喜んでくれました。

帰り際「寿司も食べたし、牛タンも美味しかったし、ウイスキーも気持ちよく酔えたなあ」と〝これでお礼に寿司おごるという責務は果たしたよ〟と暗に伝えたことに気づいたのか、彼女は「今日のと、すきやばし次郎は全く別ですよ」とまさかの反応。

それどころか「傘、買わなかったからゲリラ豪雨でびしょ濡れにされた。私たちとしては、貸しは増えたという認識です」と、身持ち良く「じゃあまたな」と別れる間際に因縁をつけてくる始末…。

「大谷世代」恐るべし。

部署も仕事場も違うから、奴らからなにかコンタクトがあってもしばらくの間はスルーしよう。