スポーツイラストレイテッド誌のスポーツパーソン・オブ・ザ・イヤーが米国スポーツの保守本流のアワードだとすると、ESPNのESPYはより現代的なものです。

ESPYの式典はスポーツファンなら誰もが楽しめる派手な演出でESPNはもちろん、地上波でも生中継されます。

芥川賞・直木賞と本屋大賞みたいなもんでしょうか。本屋大賞、褒め過ぎか?

来月発表されるESPYアワードには野球部門で大谷翔平、テニスで大坂なおみ、ゴルフで松山英樹がノミネートされました。

3人とも全米の誰もが知るとはいきませんが(そんな奴は現代にはいない)、それぞれのスポーツファンなら知らない人はいない存在です。

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さて、ボクシング部門です。もちろん、バンタム級の井上尚弥はノミネートされませんでした。

ノミネートされたのはカネロ・アルバレス、タイソン・フューリー、テオフィモ・ロペス、クラレッサ・シールズ。

当のESPNがボクシング版で井上尚弥を「米国では無名」と書き立てるのは、根拠のないことではありません。事実です。

野球やテニス、ゴルフと比べるとボクシングははるかにマイナースポーツです。そのマイナーの中でも特に関心が払われないのが、ジュニアフェザー以下の超軽量級。

しかし、ボクシングという枠内でも井上は全く無名ではないとはいえ、ほぼ無名と言って差し支えありません。

日本での知名度は中谷正義を大きく凌ぎますが、米国では「どちらも無名」です。

ESPYアワードにノミネートしても、意味がないのです。

そもそも関心の低い超軽量級のアジア人、というのが井上が興味を持たれない最大の理由です。

では、中谷がワシル・ロマチェンコに勝って、今回ノミネートされたテオフィモに雪辱したら、ESPYアワードにノミネートされるか…?個人的には怪しいと思います。

日本人ボクサーでは村田諒太がカネロを番狂わせで倒し、再戦でも明白な結果を突きつけたならノミネートされる気もしますが、それでもどうでしょうか。

多くの人は大谷や大坂、松山を報道するメディアと、井上らを伝えるメディアが異なることは、さすがにもう気づいているでしょう。



井上は年末にもう1試合、リングに上がりそうです。

それは、ノニト・ドネアvsジョンリール・カシメロの勝者と完全統一を争う大勝負になるかもしれません。

舞台はラスベガスにすべきではありません。そうなるはずもありませんが。

日本でやればラスベガスでやる100倍以上の興行規模になるはずです。

そして、何よりも100倍以上の関心と尊敬と賞賛が用意されるのですから。