欧米時間ハロウィンの10月31日は、ボクシングの復活を告げるようなイベントが米国でも英国でも開催されました。

世界で最も注目を集めたのは、おそらく「オレクサンダー・ウシクvsデレク・チゾラ」。

戦前のプレス発表からチゾラがイベントの盛り上げ役を一手に引き受け大暴れ。

前日計量でもジョーカーのコスチュームで「ハロウィンファイト」を煽りました。 
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ウクライナのもう一人のハイテク、元クルーザー級完全統一王者の野望が実現するのかどうかを占います。

試合結果はユナニマスデジション(115-113*2/117-112)で、ウシク勝利に何の問題もありません。117−112はどうかと思いますが、アリかなあ。

問題は、その内容です。

For significant periods of time during the bout, Usyk looked extremely uncomfortable, as if he was running out of room trying to evade his 255-pound opponent, who outweighed him by nearly 40 pounds.

試合全般を通して、ウシクは約40ポンド重いチゾラの重圧をさばくのに精一杯で、非常にやりにくそうに戦っていた。


そうなんです、主導権を握って思い通りに戦っての115−113ではありませんでした。その欲求不満は見てるファンも同じで「こんなにひ弱でタイソン・フューリーやアンソニー・ジョシュア、デオンティ・ワイルダーとどうやって戦うんだ」と心配が募るばかり。

チゾラの「ずっと攻勢を取ってたのに、ジャッジは評価してくれなかった。思い通りのボクシングをしたけど、判定には失望している」という言葉も、いつもの負け惜しみには聞こえません。

ウシクが抱える問題は、その評価を見れば一目瞭然です。リング誌ではPFP4位という高評価にもかかわらず、ヘビー級では10位圏外。

「PFPではトップクラスだがヘビー級では通用しない」という、ヘビー級ならではの厳しい現実です。

ウシクの身長191㎝/リーチ198㎝というサイズは、現代ヘビー級においては小柄です。さらに、その骨格より問題なのはチゾラ戦でも217.25ポンド(98.5㎏)というウェイト。

チゾラも187㎝/188㎝とフレームはウシク以下ですが255.5ポンド(115.9㎏)の巨漢、いわゆる〝アンディ・ルイス〟型です。

38.25ポンド、17.35㎏の差をもろともせず「ウシクはPFPファイターとして立派に戦った」といえますが、それはあくまで「PFPファイターとして20㎏近い体重差を跳ね返した」というだけのことで、ヘビー級で頂点を狙うにはあまりにも弱々しい姿を晒してしまいました。

“I think my boxing was good. It is really testing at heavyweight. He was a big guy, a hard guy. It's beautiful boxing (at heavyweight), I love boxing,” he said following the bout.

悪いボクシングじゃなかった。まだテスト段階。彼は大きくてやりにくい相手だった。美しいボクシングが私のやり方。


ヘビー級で戦いながらも、ウシクはWBCが新設を発表している「224ポンド級=仮称スーパークルーザー級」でも相当に軽く、スーパークルーザー級の初代王者決定戦の出場者候補にも挙げられています。

スーパークルーザー級で肩慣らししてから、再挑戦…。それも仕方がないと思えるほど、ヘビー級の壁は高く厚く重い。

ウシクならスーパークルーザーでも完全統一できるでしょう。欧州で一定の人気があるクラスだけにWBSSも手を出すかもしれません。

それにしても、この壁に日本人が風穴を開ける日が、いつか訪れるでしょうか?