世界中の軽量級ボクサーが「日本で日本の人気選手と戦いたい」と希求しながらも、強豪王者や人気選手が呼ばれることは滅多にありません。

その原因は、日本のプロボクシングが「ジム経営ビジネス」 であることに尽きます。

競技の指導をするジムが、選手をマネジメントし、マッチメイク、興行主まで担う。


そこで何が起きるか?


「有望な選手を集めたい」そして「有望な選手は大事に育てたい」 。

当然です。「プロモーター・ビジネス」の米国でもそれは同じか、むしろ強い傾向があります。

米国型の「プロモーター」優先では、対立プロモーターの強敵と戦わせることは敬遠しますが、傘下の人気選手をどこでぶつけるかを考えてイベントを構成「今日圧勝した二人が次(か次?か次?)に激突しますよ!」と、ファンの関心と期待を煽ります。

しかし、日本の「ジム」は会員の月謝と、スポンサーの援助、プロ選手の報酬から差し引くマネジメント料が経営の柱、高額のマネジメント料が期待出来る王者を育てるのは大切なビジネスです。

日本王者は JBC管轄、ランキングも一つで王者や挑戦者を選ぶことは難しいのが現状です。

日本レベルの方が苦労していた選手が世界王者になると防衛戦で快勝をマークするーーその原因が「日本人に長期政権を築いてほしい」というアルファベット団体の思惑から雑魚挑戦者が送り込まれることにもあるのは明らかです。

NHKですら長谷川穂積の特集番組「あの負けで私は強くなった」で「強い挑戦者をあえて指名して10度防衛」というだけでも失笑ものですが、ネストール・ロチャ戦を映してしまうお粗末さ。

民放が「絶対王者」と騒ぐもの当然です。そして、その報道を真に受けて、長谷川信者が育まれてしまったことも。

同じ番組では「世界で認められたボクサーだけがラスベガスで戦うことを許され、巨額のファイトマネーを得る」と明らかに誤解を生むことまで語ってしまっています。

もちろん「世界で認められたボクサーだけがラスベガスで戦うことを許され、その全員が10億円以上の巨額のファイトマネーを得る」と報じるとお詫びと訂正を出さなければならない虚偽です。

10万ドルでも虚偽です。可哀想なフェルナンド・モンティエルはラスベガスで2階級制覇したのに報酬は1万5000ドルでしたから。実際には1000ドル以下のボクサーも当たり前にいます。当然です。

そして、ロチャを「ゴールデンボーイ・プロモーションが送り込んだ最強の刺客」というのも〝違法性のある誇大広告〟とまではいえません。

実際にオスカー・デラホーヤはビデオレターで「ロチャは軽量級のエース」と語ってますから「世界一美味いラーメン屋」と看板出すのと同じです。全然OKです、真に受ける方がバカです。

「ジム経営」を最優先すると、強豪相手の試合は「負ける可能性」「相手の報酬も高い」という思い十字架を二つ重ねで背負うことになるのです。

どんなジムに取っても〝ロチャ〟は必要なのです。

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「内藤大助vs亀田興毅」と「井上尚弥vsノニトvsドネア」のメガファイトは、欧米から見ると軽量級の常識を大きく覆すSURREAL(非現実)でした。「バンタム級がメインで2万人?2000万人が視聴した?…ありえない、そんなの(米国では)現実じゃない」。
 
 
「ショービジネス」への意識が欠落している(そうならざるをえない)日本の構造で、世界の有力選手が集う軽量級のメッカになれるのか…?


 
【希望的観測】

世界の強豪が東京や横浜などの大会場に集結し、トッペレベルの技量を披露する。

これを実現した格闘技がキックボクシングと MMAです。

世界的に人気がないキックボクシング、黎明期のMMAという間隙を突いた試みでしたが、刹那的とはいえK1とPRIDEはボクシングの世界戦を凌駕する巨大な成功を収めました。

欧米で関心が低い軽量級も「間隙」ビジネスであることは間違いありません。

そして、キックボクシングや黎明期のMMAのように欧米では間隙でも、日本ではメインストリームなように、ボクシングの軽量級も歴史的に馴染みがあるスポーツです。

そして、何よりも1億3000万人が同じ方向を向く国民性は、高いテレビ視聴率を叩き出しやすく、すなわち高額の放映権料も発生することはK1とPRIDEが証明済みです。

ボクシングではまず見られない外国人選手への愛着・応援も、少なくとも無差別級では明らかに大きな成果を挙げました。

日本人が敗退して外国人同士の決勝戦になっても、ファンは納得して離れませんでした。 

K1やPRIDEは、ボクシングと比較すると非常に痩せた土壌をゼロから耕して大きな成功に導きました。

日本のボクシング熱は捨てたもんじゃありません。

また、外国人選手についても「アラブ王家の寵愛を受ける悪魔王子バダ・ハリ」「霊長類最強」のような明らかなパクリやウソも必要ありません。

キックや黎明期MMAのような明らかなウソをつかなくても良い「世界の真実」をボクシングは持っているのですから。

他の階級ではもちろん、バンタムでも温厚な紳士であるドネアが「約束の期限が過ぎても試合日程・場所が発表されない」「事務局と連絡が取れない」と不信感をあらわにし「離脱」までほのめかしました。

ゾラニ・テテは故障を理由に離脱しましたが、WBSSが承認料を差っ引く井上戦を回避「WBSS抜きで井上と戦いたかった」と推測されています。

それでも、日本で行った2試合は大成功を収めました。WBSSの試みを日本独自に行っていても、きっと成功したはずです。


しかし、この国のリッチはガラパゴス・リッチです…。

欧米ではありえない軽量級への尊敬・理解があり、WBSSや他の格闘技での成功例もある。

それでも…。 【絶望的観測】へ、続きます。