ネバダ州ラスベガス MGMグランドガーデンアリーナ。

カネロ・アルバレスが3階級制覇(スーパーミドルはWBAセカンドタイトルなのでカウントせず)を賭けてセルゲイ・コバレフに挑む今年一番のメガファイト。

カネロ・アルバレス1/4(1.25倍)、セレゲイ・コバレフ16/5(4.2倍)のオッズは、試合直前になっても目まぐるしく変動、日本時間午前10時にはコバレフ10/3(4.33倍)までじりじりと広がっています。



今日はカリフォルニア州カーソン ディグニティ・デグニティ・スポーツパークでWBCジュニアライト級タイトルマッチ(王者ミゲール・ベルチェルトvsジェイソン・ソーサ)も行われます。

このイベントの前座に岡田博喜が登場、ハビエル・モリナと拳を交えます。前戦でレイムンド・ベルトランとのシーソーゲームを9ラウンドKO負けで落とした岡田にとって正念場の一戦です。トップランクとの3年9試合契約の3戦目、岡田1倍、モリナ1.78倍のオッズ通りに勝利を期待します!

うーーーん。。。。何が起きるかわからないとはいえ、もう少し慎重に立ち上がって欲しかった。
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慎重にスタートしたらしたらで、負けたら相手に主導権をあげるような作戦ミスとか言っちゃうんですが…それでも…。

モリナの最初の右で決まりました。

開始65秒でKO負け。今日の相手に勝たないでどうする!?厳しい、厳しすぎる敗北です。トップランクとしても今後の岡田の使い方に困る敗北です。

ボクシング兄弟の〝切り札〟モリナは「岡田の試合は何度も繰り返し見て研究していた。岡田のタイミングは研究通りだった。次は世界戦だ」。




******ラスベガスに戻って、すでにアンダーカードが始まってホリフィールドの息子エバンがデビュー戦を1ラウンドTKOで飾りましたが、最注目はライアン・ガルシアvsロメロ・デュノ。

カネロの弟分として18戦全勝15KOと無敗街道をひた走る21歳の〝The Flash〟がキャリア最強のWBO北米ライト級王者24歳のデュノを迎え撃ちます。空位のWBCシルバーもステイク。

オッズはガルシア1/8(1.13倍)、デュノ9/2(5.5倍) 。ガルシアの中盤以降のストップ勝ちが濃厚と見られていますが…果たして?
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ガルシアは9月14日に対戦を予定していたアヴェリー・スパロウが試合2日前に拳銃で威嚇する事件を起こして逮捕されたことでキャンセル。

同じイベントで勝利したデュノは"Ryan Garcia next stop running"(次はガルシアの連勝を止めてやる)とプリントしたTシャツを着て勝利者インタビューに応じ「プロテクト(温室)のガルシアは私から逃げるな」と挑発。

報酬はガルシアがキャリアハイの25万ドル、デュノ5万ドル。

さあ、ゴング。

お手並み拝見…あらら、こっちも開始100秒でガルシアのまさにFlashが炸裂。カウントを取らずにトニー・ウィークスが試合を止めました。

これ、最後の左フックは空振りに見えましたが頭部をかすめてる?ストップは1分38秒。

「デュノが強打者であることに敬意を払って戦った。顎に耳の後ろ、急所に正確に当てることができた。最後は左、テンプルにヒットした」。

メキシコ系米国人ガルシアは、当然ながら英語も流暢です。返す返すもカネロは不遜です。 

「カネロへのいい贈り物になった!次はカネロだ!レッツゴー、カネロ!!!ビバ!メヒコーー!!!」。 

プロモーターの関係で対戦は難しいでしょうが、テオフィモ・ロペスとの潰し合いを見たいですね〜。 


*******

さあ、メインイベント!

リングサイドのセレブが続々と紹介されています。最も大きな歓声を浴びたのはフリオ・セサール・チャベス。メキシカンスタイルを具現した伝説ですが、日本で見ていると、彼のメキシコでの存在感の巨大さは想像できませんね。

ライアンの仕事が早すぎたために、メインまでの時間は間延びしています。

ライアン入場であの盛り上がりでしたから、カネロ登場だとどうなるんでしょう?

ESPNのファン予想では2万8591人が投票。

カネロ勝利がKO28%、判定27%の合計55%。コバレフはKO30%、判定13%の合計43%。ドロー2%。

専門家予想やオッズとはまったく違う50−50の勝負ですが、ファン予想というのは最も期待している結果であり願望です。つまり、多くのファンはコバレフのKO勝利を見たいと希求しているということです。

同感です! 

しかし、引っ張るなあ。 もう日本は午後2時になりますぜ。あっちは夜10時、ゴールデンタイム後半です。

やっと国歌斉唱。 

ロッカールームでマキシム・ダダシェフを失ったバディ・マクガードがコバレフに何やら囁いています。どんな作戦でしょうか。

ジャブ、とにかくあの強烈なジャブでカネロの接近を阻みながら、一撃のチャンスを待つんです! 

「ビバ・メヒコ」コール、うざいです。クラッシャーよ、この大観衆を静まり返らせてくれ!

面白いオーロラビジョンと解説です、1938年のヘンリー・アームストロングとカネロを比較しますか。「3階級同時保持はアームストロング以来」かもしれませんが、比較の対象じゃないでしょう。まず、この試合で負けるから3階級同時保持はありません!

第1ラウンドゴング!体格差は歴然です。10−9、コバレフ。解説通り「コバレフは左を絶やさず、距離をキープするのが正解」です。

しかし、スピード差も歴然です。コバレフがスローに見えます。 

第2ラウンド。アクションが出てきましたが、カネロは距離の遠さを実感しているはずです。コバレフはいいペース。カネロのプレッシャーは厳しいですが。10−9(20−18)コバレフ。 

第3ラウンド、コバレフを下がらせるんですから、カネロも大したものです。 コバレフはカネロのパワーをどう感じているのか?ジャブを起点に手数の多いコバレフが取りました。10−9(30−27)。
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マクガードがトレーナーに就いてからコバレフはクラッシャーから優秀なジャバーに変貌。マクガード以前の1ラウンド当たりのジャブは平均21.8発だったのが、34.6発と跳ね上がっています。ライトヘビー級の平均が23ですから、ジャブも評価されていたとはいえ以前はジャバーとは呼べないスタイルでした。


第4ラウンド。やはり手数でコバレフ。しかし、パワーもカネロが上です。 10−9(40−36)。コバレフはジャブを突き続けることができるか。

第5ラウンド。激しいパンチが交錯しますが、クリーンヒットはなし。手数でコバレフ10−9(50−45)。オフィシャルはこのスコアじゃないでしょうが、下がりながらジャブを突くのが最も評価されるんですよね?!ベガスでは!!??今日だけ攻勢を評価するとかなしですよ!!!

第6ラウンドはカネロのパワーにコバレフが押されまくり。9−10(59−55)。カネロが初めて取りました。コバレフ、疲れが見えます。 パワーの差は大きくカネロに軍配、意外です。

第7ラウンド。打ち合ってはコバレフに勝ち目はありません。 まだ、ボディは効かされていませんが、徐々に削られています。コバレフ、大きなダメージこそないものの、手詰まり感が…。マクガードから「正面に立つな!」の指示。どっちが大きな選手かわかりません。9−10(68−65)でカネロが支配しました。

しかし、コバレフってこんなに弱々しいボクサーでしたっけ。 

第8ラウンドもカネロの攻勢にコバレフが下がる展開。コバレフのパンチが軽い、軽すぎる。しかし2分過ぎからカネロがバックペダル。何か効かされたか?10−9(78−74)でコバレフが流れを取り戻します。 かすかな希望が…。

第9ラウンド。コバレフ、大事なラウンドです。 難しいラウンドでしたがコバレフのボクシングを評価します。10−9(88−83)。この時点でカネロは判定ならダウンを奪うしか勝てませんが…。

第10ラウンドはカネロが追いかけ回すも、被弾も。両者疲れが目立ちます。9−10でカネロ(97−93)。

チャンピオンシップラウンド。オフィシャルでは僅差のスコアが予想されますから、勝負どころです。ああ、、、、、、。

結局、パワーの差でした。クロスレンジの打ち合いで効かされて、最後は右ストレートが顎にクリーンヒット。すでにグラついてるところに、まともでした。あれでは立てません。

「パワーだけならやや有利」と見られていたコバレフが、力で押されまくったのですから、最初からいつ捕まるかという展開でした…逃げ切れるとも思いましたが…。

コバレフ、弱かったです。ライトヘビーに圧政を敷いていた時代が嘘のようです。
Punch Stats
PUNCHESALVAREZKOVALEV
Total landed133115
Total thrown345745
Percent39%15%
Jabs landed2963
Jabs thrown128577
Percent23%11%
Power landed10452
Power thrown217168
Percent48%31%
-- Courtesy of CompuBox

パワーパンチ(利き手のパンチ)以外はコバレフの手数が上回りましたが、最後はカネロのパワーにねじ伏せられた格好です。

「我慢のラウンドが続いたけど、相手が怖がっているのがわかったから丁寧に追い詰めるだけだった。コバレフのジャブは厄介だったけど、パワーは感じなかった」。

ーーゲンナディ・ゴロフキンとの第3戦はUnfinishued Bisinessだとファンは期待しているが?

「やる意味があるかどうかはわからないが、ビジネスとしてならやる。しかし、彼との試合の勝敗に誰が関心があるんだ?」

コバレフ「カネロは偉大なチャンピオン。ジャブで突き放す作戦だったし、それしかないことが最初のラウンドでわかった。もう少しだったが捕まえられた。ありがとうカネロ、ありがとうみなさん」。
 
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ESPNの採点も97−93。コバレフのリードで第10ラウンドを迎えていましたが、逆転勝ちの印象が薄いのは試合を通してコバレフが弱々しかったゆえでしょうか。

オフィシャルは96−94*2/95−95の2−0でカネロがリード。理不尽なスコアですが「カネロとラスベガス」のWin−Winな関係を考えると、納得のスコアです。あの不公平な砂漠の街はどんなことでも起きますが、絶対ありえないのはカネロの判定負けですね。

カネロはこの勝利でメキシコ史上最年少、29歳と107日で4階級制覇(WBAセカンドを王者と認めるなら)。 むむむ…井岡一翔の30歳88日も惜しくもかわされました。

ジュニアミドル級(154ポンド)の王者が21ポンドの壁を乗り越えてライトヘビー(175ポンド)を制したのは史上4人目で、シュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、マイク・マッカラムに続く偉業。

コバレフは劣化が目立ったとはいえ、ワシル・ロマチェンコやテレンス・クロフォードと比べてカネロの対戦相手の質の高さが目立ちます。もはや、これはPFP1位にしないとおかしいでしょう。

アンチからは「3年前のコバレフなら絶対選んでいなかった」「そもそも対戦相手を選ぶとか何様?」のような書き込みが早速溢れています。みんな好きじゃないのはわかりますが、認めざるをえません。

アルトゥール・ベテルビエフ相手でもオッズや予想は有利と出そうです。

ミドル〜ライトヘビーではベテルビエフやカラム・スミス、ジャーモル・チャーロ、デメトリアス・アンドラーデら強豪がひしめいていますが、カネロが不利予想に傾く相手は見当たりません。

村田諒太なら勝敗は別にしてカネロも下がる可能性があると思ってましたが、少し弱気になっちゃいます。圧倒的不利予想になるでしょうが、日本人最大のメガファイト、正面衝突が見たいですね。

カネロの報酬は3500万ドル、コバレフは300万ドル。コバレフには500万ドル前後が加算されることが保証されています。良かったね、クラッシャー。 

コバレフに加算されるのは500万ドルじゃなく最終的には900万ドル、つまり1200万ドルを手にするそうです。痛烈に倒されましたが、インタビューに「カネロ、ありがとう」と答えるコバレフは本当に嬉しそうでした。 

カネロに選ばれた時点で勝敗関係ありません、勝ち組です。最高の結果は勝利を収めて、カネロと再戦できることでしょうが、1200万ドルで十分でしょうね。