11月7日まで、ノニト・ドネアを尊敬して彼にまつわるお話をフシ穴書庫から引っ張り出してご紹介したいと思います。

今夜は「Science has Changed Post Weigh-In Rituals」…リング誌2012年4月号からです。


Nonito Donaire Nonito Donaire Nonito Donaire Nonito Donaire

当日計量の時代は遠くなりにけり。

今は、試合前30時間前に計量が行われます 

当日計量において試合までの時間は体力回復を図るだけに費やされましたが、前日計量ではそれだけでは戦いに敗れてしまいます。

日進月歩のスポーツ科学と栄養学は、この30時間の費やし方にも大きく反映されています。

体重計を降りるや、水やゲーターレードをがぶ飲みする時代は終わりました。多くのボクサーは伝統的なトレーナーに加えて、栄養とコンディションを担当する専門トレーナーを雇っています。

彼らは生理学に基づき、採取した血液の状態によって酸素や栄養の供給量を測定し、食事やサプリメントを与えます。

血液の状態によって練習内容を変更することは日常茶飯事です。

全ては前日計量の日時から逆算して遂行され、最後の30時間を迎える準備のためです。

その何をどのタイミングでどれくらいの量を摂取するかを緻密に計算し、最後の30時間の儀式まで指揮する司教として最も有名なのはビクター・コンテ。

「筋肉を減らさずに体重だけ落とすのは、脂肪を削ぎ落としたボクサーにとっては不可能な作業に思えるがそうではない。秤に乗るときだけ水分が極端に少ない状況を、より健康的に作り出すのだ」。

「タンパク質と水。電解質。脱水と補給。そして各種栄養成分。それらの摂取の組み合わせやタイミング、量のベストは個体差が大きい。つまり誰にとっても正解というのはない」。

「ビタミンのサプリメントに詳しくても電解質って何?というようなトレーナーはど素人ではなく職業としての犯罪者だ」。

「さらに、同じボクサーでも年齢や環境、季節や体調によっても変わってくるから、そこまで緻密に把握しなければならない」。

「最後の30時間も健康的により大きくリバウンドさせることが最大のテーマになる。オマール・ナルバエス戦のドネアは私の最高傑作の一つ。前日計量では116ポンド1/4、小さなナルバエスよりも1ポンド以上も軽かった。しかし、やつれていたのは可哀想なアルゼンチン人の方だ」。

「そして翌日のリング。6ポンド程度しかリバウンドできなかったナルバエスに対して、ドネアは130ポンド、つまりジュニアライト級の体重で上がったのだよ」。

ドネアはわずか数週間のキャンプで約145ポンドから29ポンドも減量して116ポンド1/4のバンタム級の体をつくり、そこから30時間で14ポンド近くリバウンドさせたといいます。

このメソッド、メニューについてコンテは「門外不出」と当たり前ですが教えてくれません。

「重要なのは選手がストレスを感じていないということだ。企業秘密だから詳細なことは明らかにできないが、一つだけ信じて欲しいことは違法な化学物質は一切使っていないということだ」。

「ドーピングは違反物質の痕跡を消したり、マスキングしなければならないが、今の私にはそれは必要ない。つまり、今の私はより簡単で健全な仕事をしているのだ」。

コンテはドネアの他にもアンドレ・ウォードやアンドレ・ベルトの栄養・コンディショニングも専門担当しており、今も多くのボクサーがかつての〝ドーピング・グル〟の指導を仰ぎたいと長い列を作っているといいます。


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日本人の感覚だと、司法取引に応じたとはいえコンテが大手を振って社会復帰するアメリカってどうなんだろう?とも思いますが、コンテの知識が〝財産〟である限りは活用すべき、という理屈なのでしょう。