日本時間9月29日、日曜日。
最終回のダウンが決め手になりました。アフメドフ、惜しくも大魚を逃しました。
ESPNはアフメドフの114−112と採点。「リングサイドでもアフメドフ勝利が多数の見方だった」とオフィシャルに疑義を唱えています。
ファイトマネーはバリオスが12万5000ドル、アフメドフ5万ドルで共にキャリア最高。
◉WBC世界スーパーミドル級タイトルマッチ
アンソニー・ディレルvsデビッド・ベナビデス
史上最年少20歳でスーパーミドルを制したベナビデスは、ドーピング検査の陽性反応(コカイン摂取で検出される代謝物質)で無敗のままタイトル返上を余儀なくされていました。
ディレルの唯一の黒星はバドゥ・ジャック相手に接戦を落とした1敗。
オッズは王者ディレルが9/2(5.5倍)、ベナビデス1/8(1.126倍)と22歳の挑戦者を支持。
長身のベナビデスがディレルにプレッシャーをかける、予想通りの立ち上がり。
3ラウンドはベナビデスの前進にディレルが抵抗を見せますが、ここまではベナビデスのフルマーク。
ベナビデスのプレッシャーは執拗。長い左リードを突きながらの前進を止めるのは難題です。と書いたところで、4ラウンド、ディレルが強引にロープに押し込んで連打。有効打はないものの、プレッシャーを寸断するのはこれが手っ取り早いか。
ディレルは明白なラウンドを取れないまま6ラウンド終了。ベナビデスの左ジャブがディレルの右目上を切り裂きます。前半はフルマークか。
カットはグロテスクなまでに酷い、幅も深さも。
7ラウンド2分に差し掛かろうとしたところでドクターチェック。手負いのディレルは捨て身で反撃するも、力比べはベナビデスの土俵。
9ラウンド、ベナビデスの多彩な攻撃に防戦一方のディレルを救うべく、コーナーがオフィシャルに棄権を申し出てゲームオーバー。
パンチスタッツでもベナビデスが圧倒。正面からの強さがあるのにやりにくい、ベナビデスは相手にとって最悪です。
ベナビデス、強い。 身長187㎝、リーチ196㎝、長くて威力十分の左のリードは厄介極まりありません。
このクラスは面白いですね。
左目上に深い古傷があるディレルでしたが、今日は右を大きくカットしてしまいました。
報酬は二人とも同じ100万ドル。
◉世界ウェルター級IBF/WBC統一戦
IBF王者エロール・スペンスJr. vs WBC王者ショーン・ポーター
さあ、注目の一戦!
ポーターの重さと決意を、ギリギリのところで捌いてスペンスが勝利。
公式採点は二人が116−111でスペンス、一人が115−112でポーターを支持するスプリットデジション。
開始ゴングからポーターはタックルのタイミングを計り、スペンスは慎重に距離を測ります。2ラウンドからはポーター相撲が開幕。
クロスレンジと呼ぶにはあまりに窮屈な距離でのパンチの応酬が続き、両者ともペースを掌握できません。
ESPNの実況採点を合わせて見ていましたが、序盤はスペンスが取るも中盤は一進一退。終盤はポーターにポイントが流れて8ラウンド終了時点で76−76のイーブンに。
採点に正解はないものの、WOWOWの解説とは少し乖離がある見方です。
9ラウンドもポーターで、この時点で86−85とポーターが初めてリード。10ラウンドはスペンスで、再びイーブン。
そして運命の11ラウンド。体を預け合う距離での打ち合いから、スペンスの左フックが絵に描いたようなカウンターとなってポーターの顎に炸裂。ここにきて致命的なダウン。
ここで試合が終わってもおかしくないカウンターでしたが、ポーターは左のグローブをキャンバスにタッチしただけで立ち上がり、すぐに反撃。なんという打たれ強さ!
しかし、このラウンドで2ポイントを失ったことで試合は決します。
12ラウンドはさすがスペンス、採点に不安があったのかもしれませんが仕留めにかかります。タフなポーターも反撃。
ESPNの採点では115−112。11ラウンドのダウンで勝敗が分かれました。
相撲展開にしては見ごたえのある12ラウンド36分間でした。
スペンスは745のパンチを放って30%に当たる221発をヒット。ポーターはほぼ同じ744発中172発を命中(23%)。
手数はポーターの印象でしたが、数字上は差がありませんでした。パンチの精度は試合の印象通りで、スペンス。
特筆すべきはスペンスのキャリアで数も率も最も多くのパンチを、最も高い確率で打ち込まれた試合ということです。
苦戦慣れしていないスペンスはいたずらに失うラウンドが目立ちましたが、今日の授業から学習できないとしたら、熱望するパッキャオ戦は偉大な伝説に花を持たせることになるでしょう。
ポーターが健闘したのはもちろんですが、スペンスが初めて底を見せた試合になりました。
ポーターは予想外の大健闘。試合前から「スペンスが勝ったのは弱い相手と小さな相手だけ。私とは対戦相手の質と経験が違う」と語っていた自信を十分に見せつけました。
報酬は両者とも最低保障で200万ドル。PPV歩合などが加算されて、最大で約350万ドルを獲得する見込みです。
PPV、どこまで伸びるでしょうか…。マイキー人気にあやかった前戦は38万件と合格点でしたが、ポーター相手でどこまで伸ばせたか?
世界ウェルター級統一戦。カリフォルニア州ロスアンゼルス:ステイプルセンター。このイベントはFOXがPPVで全米生中継します。
メインはIBF王者エロール・スペンスJr. vs WBC王者ショーン・ポーター。
スペンスはマイキー・ガルシア戦に続いて2戦連続二度目のPPV、ポーターはキャリア初のPPVになります。
無敗のスペンスにスーパースターの資格があるのかどうか?
「ポーターを初めてストップするボクサーになる」という宣言通りの圧勝KO劇を見せれるのか?
そして、PPVの販売件数を伸ばして人気がないというレッテルを剥がせるか?
実力と人気、二つの意味で試される試合です。
◉WBA世界ジュニアウェルター級王者決定戦
マリオ・バリオスvsバティフ・アフメドフ
WBSSに出場しているレジス・プログレイスがスーパー王者に昇格。空位となったレギュラー王座を争います。
レギュラー王座はWBAの勝手な呼称で、世界的にはセカンドタイトル。リング誌もESPNも世界王者とは認めていません。
24戦全勝のEl Azteca バリオスに、7戦ながらやはり全勝のアフメドフが挑む無敗対決。
サウスポーのアフメドフが右リードを軸に丁寧に試合を組み立てます。タイミングを計っていたバリオスが徐々に攻撃のアクセルを踏み、4ラウンドに右ストレートでぐらつかせると畳み掛けてダウンを奪います。
アフメドフは両手をカンバスに着いたダウンからすぐに立ち上がり、反撃。バリオスはダメージが残っている28歳のロシアンを仕留めきれません。
5ラウンド、打撃戦がヒートアップ。アフメドフの攻勢にバリオスが下がりながら応戦。ロシアンのラウンド。
6ラウンドも手数でアフメドフ。この時点でオッズは試合前のバリオス1.25倍、アフメドフ3.25倍から18/25(1.68倍)、アフメドフ23/20(2.15倍)と差が縮まります。
後半スタートの7ラウンドもアフメドフの攻勢。バリオスは左目をカット。バリオスのコーナー、バージル・ハンターが苛立っています。
リオ五輪8強のアフメドフが叩き上げのプロのように無骨に戦っています。
9ラウンド、バリオスは闘牛士よろしく、下がりながら正確なパンチを突き刺しますが、捌き切れているか?となると難しい。
10ラウンド、闘牛の猛攻にバリオスがタジタジ。番狂わせの香りが漂います。オッズはバリオス9.5倍に。アフメドフ1.02倍。
チャンピオンシップラウンド。バリオスには何も残っていないか。決定打を免れるので精一杯。
採点はわかりませんが、バリオスが勝つには少なくともダウンを奪わなければありえません。
最終回。バリオス、腹も顔面も効かされてます。アフメドフ、まさかのダウン。また、バリオスの右ショートで手を着いただけですが、綺麗なカウンターを食ってしまいます。
これで、スコアがわからなくなりました。
113−112/115−111/116−111。 ユナニマスデジションでバリオスがセカンド王者に。
無敗のスペンスにスーパースターの資格があるのかどうか?
「ポーターを初めてストップするボクサーになる」という宣言通りの圧勝KO劇を見せれるのか?
そして、PPVの販売件数を伸ばして人気がないというレッテルを剥がせるか?
実力と人気、二つの意味で試される試合です。
◉WBA世界ジュニアウェルター級王者決定戦
マリオ・バリオスvsバティフ・アフメドフ
WBSSに出場しているレジス・プログレイスがスーパー王者に昇格。空位となったレギュラー王座を争います。
レギュラー王座はWBAの勝手な呼称で、世界的にはセカンドタイトル。リング誌もESPNも世界王者とは認めていません。
24戦全勝のEl Azteca バリオスに、7戦ながらやはり全勝のアフメドフが挑む無敗対決。
サウスポーのアフメドフが右リードを軸に丁寧に試合を組み立てます。タイミングを計っていたバリオスが徐々に攻撃のアクセルを踏み、4ラウンドに右ストレートでぐらつかせると畳み掛けてダウンを奪います。
アフメドフは両手をカンバスに着いたダウンからすぐに立ち上がり、反撃。バリオスはダメージが残っている28歳のロシアンを仕留めきれません。
5ラウンド、打撃戦がヒートアップ。アフメドフの攻勢にバリオスが下がりながら応戦。ロシアンのラウンド。
6ラウンドも手数でアフメドフ。この時点でオッズは試合前のバリオス1.25倍、アフメドフ3.25倍から18/25(1.68倍)、アフメドフ23/20(2.15倍)と差が縮まります。
後半スタートの7ラウンドもアフメドフの攻勢。バリオスは左目をカット。バリオスのコーナー、バージル・ハンターが苛立っています。
リオ五輪8強のアフメドフが叩き上げのプロのように無骨に戦っています。
9ラウンド、バリオスは闘牛士よろしく、下がりながら正確なパンチを突き刺しますが、捌き切れているか?となると難しい。
10ラウンド、闘牛の猛攻にバリオスがタジタジ。番狂わせの香りが漂います。オッズはバリオス9.5倍に。アフメドフ1.02倍。
チャンピオンシップラウンド。バリオスには何も残っていないか。決定打を免れるので精一杯。
採点はわかりませんが、バリオスが勝つには少なくともダウンを奪わなければありえません。
最終回。バリオス、腹も顔面も効かされてます。アフメドフ、まさかのダウン。また、バリオスの右ショートで手を着いただけですが、綺麗なカウンターを食ってしまいます。
これで、スコアがわからなくなりました。
113−112/115−111/116−111。 ユナニマスデジションでバリオスがセカンド王者に。
最終回のダウンが決め手になりました。アフメドフ、惜しくも大魚を逃しました。
| PUNCHES | BARRIOS | AKHMEDOV |
| Total landed | 135 | 238 |
| Total thrown | 772 | 924 |
| Percent | 18% | 26% |
| Jabs landed | 22 | 57 |
| Jabs thrown | 359 | 272 |
| Percent | 6% | 21% |
| Power landed | 113 | 181 |
| Power thrown | 413 | 652 |
| Percent | 27% | 28% |
| -- Courtesy of CompuBox | ||
ファイトマネーはバリオスが12万5000ドル、アフメドフ5万ドルで共にキャリア最高。
◉WBC世界スーパーミドル級タイトルマッチ
アンソニー・ディレルvsデビッド・ベナビデス
史上最年少20歳でスーパーミドルを制したベナビデスは、ドーピング検査の陽性反応(コカイン摂取で検出される代謝物質)で無敗のままタイトル返上を余儀なくされていました。
ディレルの唯一の黒星はバドゥ・ジャック相手に接戦を落とした1敗。
オッズは王者ディレルが9/2(5.5倍)、ベナビデス1/8(1.126倍)と22歳の挑戦者を支持。
長身のベナビデスがディレルにプレッシャーをかける、予想通りの立ち上がり。
3ラウンドはベナビデスの前進にディレルが抵抗を見せますが、ここまではベナビデスのフルマーク。
ベナビデスのプレッシャーは執拗。長い左リードを突きながらの前進を止めるのは難題です。と書いたところで、4ラウンド、ディレルが強引にロープに押し込んで連打。有効打はないものの、プレッシャーを寸断するのはこれが手っ取り早いか。
ディレルは明白なラウンドを取れないまま6ラウンド終了。ベナビデスの左ジャブがディレルの右目上を切り裂きます。前半はフルマークか。
カットはグロテスクなまでに酷い、幅も深さも。
7ラウンド2分に差し掛かろうとしたところでドクターチェック。手負いのディレルは捨て身で反撃するも、力比べはベナビデスの土俵。
9ラウンド、ベナビデスの多彩な攻撃に防戦一方のディレルを救うべく、コーナーがオフィシャルに棄権を申し出てゲームオーバー。
| PUNCHES | DIRRELL | BENAVIDEZ |
| Total landed | 94 | 165 |
| Total thrown | 386 | 499 |
| Percent | 24% | 33% |
| Jabs landed | 53 | 64 |
| Jabs thrown | 246 | 207 |
| Percent | 22% | 31% |
| Power landed | 41 | 101 |
| Power thrown | 140 | 292 |
| Percent | 29% | 35% |
| -- Courtesy of CompuBox | ||
パンチスタッツでもベナビデスが圧倒。正面からの強さがあるのにやりにくい、ベナビデスは相手にとって最悪です。
ベナビデス、強い。 身長187㎝、リーチ196㎝、長くて威力十分の左のリードは厄介極まりありません。
このクラスは面白いですね。
左目上に深い古傷があるディレルでしたが、今日は右を大きくカットしてしまいました。
報酬は二人とも同じ100万ドル。
◉世界ウェルター級IBF/WBC統一戦
IBF王者エロール・スペンスJr. vs WBC王者ショーン・ポーター
さあ、注目の一戦!
ポーターの重さと決意を、ギリギリのところで捌いてスペンスが勝利。
公式採点は二人が116−111でスペンス、一人が115−112でポーターを支持するスプリットデジション。
開始ゴングからポーターはタックルのタイミングを計り、スペンスは慎重に距離を測ります。2ラウンドからはポーター相撲が開幕。
クロスレンジと呼ぶにはあまりに窮屈な距離でのパンチの応酬が続き、両者ともペースを掌握できません。
ESPNの実況採点を合わせて見ていましたが、序盤はスペンスが取るも中盤は一進一退。終盤はポーターにポイントが流れて8ラウンド終了時点で76−76のイーブンに。
採点に正解はないものの、WOWOWの解説とは少し乖離がある見方です。
9ラウンドもポーターで、この時点で86−85とポーターが初めてリード。10ラウンドはスペンスで、再びイーブン。
そして運命の11ラウンド。体を預け合う距離での打ち合いから、スペンスの左フックが絵に描いたようなカウンターとなってポーターの顎に炸裂。ここにきて致命的なダウン。
ここで試合が終わってもおかしくないカウンターでしたが、ポーターは左のグローブをキャンバスにタッチしただけで立ち上がり、すぐに反撃。なんという打たれ強さ!
しかし、このラウンドで2ポイントを失ったことで試合は決します。
12ラウンドはさすがスペンス、採点に不安があったのかもしれませんが仕留めにかかります。タフなポーターも反撃。
ESPNの採点では115−112。11ラウンドのダウンで勝敗が分かれました。
相撲展開にしては見ごたえのある12ラウンド36分間でした。
| PUNCHES | SPENCE | PORTER |
| Total landed | 221 | 172 |
| Total thrown | 745 | 744 |
| Percent | 30% | 23% |
| Jabs landed | 37 | 30 |
| Jabs thrown | 329 | 191 |
| Percent | 11% | 16% |
| Power landed | 184 | 142 |
| Power thrown | 416 | 553 |
| Percent | 44% | 26% |
| -- Courtesy of CompuBox | ||
手数はポーターの印象でしたが、数字上は差がありませんでした。パンチの精度は試合の印象通りで、スペンス。
特筆すべきはスペンスのキャリアで数も率も最も多くのパンチを、最も高い確率で打ち込まれた試合ということです。
苦戦慣れしていないスペンスはいたずらに失うラウンドが目立ちましたが、今日の授業から学習できないとしたら、熱望するパッキャオ戦は偉大な伝説に花を持たせることになるでしょう。
ポーターが健闘したのはもちろんですが、スペンスが初めて底を見せた試合になりました。
ポーターは予想外の大健闘。試合前から「スペンスが勝ったのは弱い相手と小さな相手だけ。私とは対戦相手の質と経験が違う」と語っていた自信を十分に見せつけました。
報酬は両者とも最低保障で200万ドル。PPV歩合などが加算されて、最大で約350万ドルを獲得する見込みです。
PPV、どこまで伸びるでしょうか…。マイキー人気にあやかった前戦は38万件と合格点でしたが、ポーター相手でどこまで伸ばせたか?

コメント
コメント一覧 (2)
エスパラゴサを代表とするベネズエラのボクサーが得意とするファイター殺しの定石であるアッパーを使えば距離を有効に保てるのに、と思いながら見てました。
ポーターは無策に猪突猛進しようとしてたわけじゃなかったんですね。1Rからすでに左回りを徹底して、自分の前足(左足)をスペンスの前足(右足)の外側に意識して持っていこうとする意思がはっきりと理解できました。
プランは遂行できたが、スペンスの防御勘がそれを上回ったと見るべきでしょうか。
フシ穴の眼
が
しました