21世紀に入ってからの日本ボクシングで最高峰の戦いが11月7日にセットされました。
WBSSバンタム級トーナメント決勝。IBF王者の井上尚弥とノニト・ドネアがさいたまスーパーアリーナで激突します。
世界的な注目度や試合報酬となるとミドル級の村田諒太の後塵を拝している井上ですが、世界評価となると風向きが変わってきます。
PFPで日本史上最高位の4位。村田をはじめ他の日本人ボクサーを大きく引き離し、ローマン・ゴンザレス以来、軽量級史上2人目のPFP1位も視野に捉えています。
興行規模でも村田と亀田の試合を除いて、21世紀で最大スケールになるのは間違いありません。
ウィリアム・ヒルのオッズは井上1.03倍、ドネア11倍。軽量級への関心度が低い英国のブックメーカーの数字は試合直前までほとんど動きはないでしょう。
しかし、具志堅用高に魅せられて以来「軽量級は絶対に面白い」と確信して40年。私には、あと3カ月も黙って待つことなどできません。
今夜からゴングの鳴る11月7日まで、ドネアの出身地ボホール島タリボンから4000㎞、井上が生まれた座間から15㎞離れた横浜のウサギ小屋から熱い想いを間歇的に沸騰させて参ります。
今夜のお題は「軽量級とPFP」。
日本を例外にすると発展途上国でメインストリームの軽量級は、パックメイのような豪華絢爛とは無縁です。
しかし、軽量級ボクサーにとってPFPに代表される世界評価は劣悪な報酬や注目度の低さの鬱憤を晴らす数少ない舞台装置です。
具志堅用高から入り、シュガー・レイ・レナードを見て世界のボクシングに引きずり込まれた私にとってリング誌のPFPランキングは「世界に軽量級が認められている」と実感できる唯一の指標でした。
リング誌の存在を知ったのがいつだったか。はっきり思い出せませんが、大学図書館で初めて実物を手にしたことは今でもよく覚えています。
「これがリング誌か」と意味もなく感動してしまいました。
今年からリストラ的に廃止されたと思われる BEST FIGHTER POLL (「リング誌認定年間PFP」と訳して差し支えありません)が当時は特集的に紹介され、食い入るように読んでいました。

〝プロフェッサー〟ネルソンは日本人との対戦はないものの、フェザー→ジュニアライトの2階級制覇。日本では中量級と見られるかもしれませんが、世界的には軽量級の誉れです。
そして、当時世界最速の18戦で3階級制覇を果たした〝マリックビルの惨殺者〟フェネックが、最初のタイトル(IBFバンタム)を獲得したのは新垣諭からでした。
さらに張正九については、もはや何かを語る必要はないでしょう。彼は日本のボクシングファンにとっては悪夢でした。
150年に1人の天才、大橋秀行が2度もTKOに散らされたコリアン・ホーク。私たちは「大橋が150年に1人なら張は500年に1人くらいの天才かな」とひねくれるしかありませんでした。
ローマン・ゴンザレスや内山高志、山中慎介、井上尚弥、シーサケット・ソールンビサイ、ドニー・ニエテス…近年、続々とPFP入りするアジアの軽量級(欧米ではジュニアライトは完全に軽量級)の背景について「インターネットの登場で欧米にとって暗黒階級だった軽量級に光が当てられた」というのは、ある意味正しく、ある意味間違いです。
強豪を打ち負かした張正九(最高位:1998年8位)やカオサイ・ギャラクシー(1991年8位)、ユーリ・アルバチャコフ(1996年10位)らはアジアの軽量級でもしっかり評価されてきたのです。
しかし、日本人にとってリング誌の BEST FIGHTER POLL は分厚く重い扉であり続けました。リング誌は電子版で随時、PFP10傑を更新していますがここでも日本人ボクサーは歯牙にもかけられない時代が続きました。
それでも、2010年前後に長谷川穂積と西岡利晃が リング誌ではありませんが、boxing scene.com (井上を現在2位評価しているサイト)で共に最高位8位まで進出したことで潮目が変わり始めます。
年間PFPのBEST FIGHTER POLL ではありませんが、2015年に現在井上が4位にランクされるリング誌の電子版で内山高志と山中慎介が雪崩打って10傑入り。
日本人スラッガー2人が、ついにその扉をこじ開けたのです。=画像左/リング誌2015年12月号=
しかし…2016年に内山が伏兵ジェスレル・コラレスの速攻にあっけなく崩れてしまいPFPから陥落。
それでも翌2017には井上尚弥が10位にランクイン、リング誌PFPは再び日本人2人体制となります。=画像右/2017年11月号=
この年8月15日山中はルイス・ネリのやはり速攻に為す術もなくストップされ、ここから井上の一人旅が始まりました。
残念ながら、このタイミングで40年近くも続いたBEST FIGHTER POLL はリング誌の経営難とリストラのために今年から消滅してしまいましたが、井上は2017年度で日本ボクシング史上初のランクイン(6位)を果たしています。
一方で、昨年からリング誌のFighter of the Year(年間最高選手)のベルトが復活。昨年はワシル・ロマチェンコ、今年はオレクサンダー・ウシクに贈られました。
Fighter of the Year(年間最高選手)は各メディアが発表する最も名誉があるアウォードです。
ローマン・ゴンザレスや内山高志、山中慎介、井上尚弥、シーサケット・ソールンビサイ、ドニー・ニエテス…近年、続々とPFP入りするアジアの軽量級(欧米ではジュニアライトは完全に軽量級)の背景について「インターネットの登場で欧米にとって暗黒階級だった軽量級に光が当てられた」というのは、ある意味正しく、ある意味間違いです。
強豪を打ち負かした張正九(最高位:1998年8位)やカオサイ・ギャラクシー(1991年8位)、ユーリ・アルバチャコフ(1996年10位)らはアジアの軽量級でもしっかり評価されてきたのです。
しかし、日本人にとってリング誌の BEST FIGHTER POLL は分厚く重い扉であり続けました。リング誌は電子版で随時、PFP10傑を更新していますがここでも日本人ボクサーは歯牙にもかけられない時代が続きました。
それでも、2010年前後に長谷川穂積と西岡利晃が リング誌ではありませんが、boxing scene.com (井上を現在2位評価しているサイト)で共に最高位8位まで進出したことで潮目が変わり始めます。
年間PFPのBEST FIGHTER POLL ではありませんが、2015年に現在井上が4位にランクされるリング誌の電子版で内山高志と山中慎介が雪崩打って10傑入り。
日本人スラッガー2人が、ついにその扉をこじ開けたのです。=画像左/リング誌2015年12月号=
しかし…2016年に内山が伏兵ジェスレル・コラレスの速攻にあっけなく崩れてしまいPFPから陥落。
それでも翌2017には井上尚弥が10位にランクイン、リング誌PFPは再び日本人2人体制となります。=画像右/2017年11月号=
この年8月15日山中はルイス・ネリのやはり速攻に為す術もなくストップされ、ここから井上の一人旅が始まりました。
残念ながら、このタイミングで40年近くも続いたBEST FIGHTER POLL はリング誌の経営難とリストラのために今年から消滅してしまいましたが、井上は2017年度で日本ボクシング史上初のランクイン(6位)を果たしています。
一方で、昨年からリング誌のFighter of the Year(年間最高選手)のベルトが復活。昨年はワシル・ロマチェンコ、今年はオレクサンダー・ウシクに贈られました。
Fighter of the Year(年間最高選手)は各メディアが発表する最も名誉があるアウォードです。
中でもリング誌とESPN、そしてBWAA(全米ボクシング記者協会)が3大Fighter of the Year。
もちろん、この3つで最も権威があるのが歴史こそリング誌に負けるものの、BWAAの「シュガー・レイ・ロビンソン賞」で誰も異論はありません。
前述のboxing scene.com は2014年に井上を選出、日本の軽量級選手への溺愛ぶりをあらためて見せてくれました。
もし、井上がファイティング原田もエデル・ジョフレも手に入れることが出来なかったリング誌のFighter of the Yearを獲得すると、とんでもない快挙です。
さらに、シュガー・レイ・ロビンソン賞を獲得するようなことがあれば、これは大偉業です。
もちろん、この3つで最も権威があるのが歴史こそリング誌に負けるものの、BWAAの「シュガー・レイ・ロビンソン賞」で誰も異論はありません。
前述のboxing scene.com は2014年に井上を選出、日本の軽量級選手への溺愛ぶりをあらためて見せてくれました。
もし、井上がファイティング原田もエデル・ジョフレも手に入れることが出来なかったリング誌のFighter of the Yearを獲得すると、とんでもない快挙です。
さらに、シュガー・レイ・ロビンソン賞を獲得するようなことがあれば、これは大偉業です。
今の世界の日本人ボクサーへの評価、潮流を見るとドネアに勝てば、十分にありえます。
世界のボクシングファンからは複雑な視線を集めてしまいそうですが…。

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