有名アスリートが犯罪者に成り果てるのを見るのは、いつだって悲しいものです。特にボクサーは「ボクサー崩れ」という言葉があるように、偏見で見られがちです…。

今朝も悲しいニュースを読んでしまいました。
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MUGSHOT =フィラデルフィア警察が逮捕時に撮影した容疑者写真

1984年ロス五輪で米国に金メダルをもたらし、プロでも2階級制覇したメルドリック・テーラー(52)が日本時間6月5日午前、北フィラデルフィアで警官とのにらみ合いの末に逮捕されました。

NBCフィラデルフィアによると、テーラーは自身が所有するビルから26歳男性を立ち退かせようとして口論になり、拳銃を向けて恫喝したとのことです。

発砲はしなかった模様ですが、特殊部隊SWATまで出動、テイラーは90分間に及ぶ説得のあと投降しました。

テーラーはロス五輪フェザー級金メダリスト。

パーネル・ウイテカー(ライト級)、マーク・ブリーランド(ウェウター級)、フランク・テート(ライトミドル級)、ヘンリー・ティルマン(ヘビー級)、タイレル・ビッグス(スーパーヘビー級)らが12階級中9階級で金メダルを獲得した伝説のU.S.ボクシングチームの1人。

テイラーの名前を聞いて誰もが思い出すのが、1990年3月17日のラスベガス、ヒルトンホテルの一戦です。

テーラーは当時24戦全勝14KO。

しかし、相手は当時すでに伝説のWBC/ IBFジュニアウェルター級王者フリオ・セサール・チャベス。68戦全勝55KOの無敗記録を提げたPFPキングでした。

テーラーは持ち前のスピードとテクニックでポイントを積み重ね、11ラウンドまでの採点は108−101/107−102/104−105の2−0。

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12ラウンド、チャベスの猛攻にテーラーは腰から落ちるようにダウン。

カウント5で立ち上がりますが、リチャード・スティールのカウントは9まで続きます。

立ち上がったテーラーの顔を覗き込んだスティールはここで両手を交差、試合をストップしました。

なんと、12ラウンド2分58秒。

当時、私は大学生。この試合を新宿の百貨店屋上ビアガーデンに設営された大スクリーンで見ていました。

今のスポーツパブとは違い、普通にスポーツやニュースを流しているだけで、私が「うわ!」と大声を出してしまうと、隣のテーブル席のサラリーマンの年配の方が「チャベスは初めて負けた?」と聞いてきたのを覚えています。

そこで「チャベスにつけたジャッジはアリか?」なんて話をしてました。

この試合は、レフェリングの問題が取り上げられるときに必ずテーマになる「白熱教室」で、いつか紹介したいと思ってましたが…まさかこんな形で触れることになるとは…。

テーラーとチャベスの物語は、ボクサーの〝花の命は短くて〟の悲哀と、バカ米国メディアの〝身贔屓丸出しの無敗信仰〟と、チャベス晩年の〝衣笠祥生的無敗 との葛藤〟〝PFPキングが報酬1位と関係ないのは何故?〟…ボクシングの素晴らしさと矛盾が満載です…。

リングサイドの解説席にはシュガー・レイ・レナード。勝利者インタビューでチャベスが「一番上に立ちたい。レナードと戦って引退する」。

当時のレナードはWBCスーパーミドル級王者、チャベスとは4階級もの差がありました。

ポストカンファレンスで「おめでとう。でも私とは階級が違う」と笑うレナードに、チャベスはあの頑健な容貌で「168(スーパーミドル)でも構わない」と真面目に答えます。

今から思えば、あの2人が相見えていたら…レナードがチャベスの左ボディで悶絶する光景が拝めたかもしれません。

なにはともあれ。。。テイラーの逮捕は残念です。個人的な勝手な意見ですが、テーラーは凶悪犯じゃないと、なかったと信じたいです。

HBOのボクシングやアメフト、ベースボールなどでスポーツ障害を負ったプロアスリートを取り上げたドキュメンタリーにテーラーも登場しているのですが、ろれつの回らない自分に悔しくてもどかしくて、でも必死に言葉を絞り出してくれる姿に泣きそうになりました。


このニュースは朝の電車の中で携帯をいじってて知り、SWATまで出動したと読んで大事件かと心配しました。

いま、酔っ払って帰宅して書いていますが、テーラーはアパートをいくつか所有していて、きっと経済的にも元気にやってるらしいことには少しほっとしました。

いやいや、、、ホッとしちゃいけないニュースですが、被害者の男性には申し訳ないですが、でも次にテーラーを見たり聞いたりするのは出来たらリングサイド、理想を言えばもっとリングに近いコーナーで見れたら嬉しいです。