大番狂わせに沈んだボクサーに対して最も残酷で辛辣で無神経なのはメディアとファンです。

そして、心身ともに傷ついたボクサーに寄り添えるは、今の彼の心境をよく知るグレートたちです。


♣︎レノックス・ルイス♣︎

番狂わせを起こされたくらいでヘコたれるな。

俺が言うと説得力ありまくりだろう?

何しろ、俺は二回も大番狂わせを起こされたんだ。

つまり、AJ(アンソニー ・ジョシュア)はあと1回出来るって計算だ。

「ブタにKOされたAJは終わった」なんて悪口が溢れてるが、冗談じゃない。

どんな負け方をしようが、二つの拳がある限り必ず立ち上がることが出来るんだ。

このクラスは特別だ。

筋肉の巨人は確かに強いが、長期戦には向いていない。大きな体と筋肉を動かし続けるには大量の酸素が必要になる。

同じ動きに見えても、私やAJのベンチプレスとメイウェザーではエネルギーの消費量が全く違う。

同じ重さのバーベルでも手の長い私たちはより遠くに掲げなくてはならない。

メイウェザーやパッキャオはスタミナの問題を練習で解決出来るが、私たちには出来ない。しっかりペース配分をしなくてはならない。ヘビー級は頭を使う階級だ。

だからもし、前半にペースを乱されることが起きると致命的なことになる。

“These post modern HW’s have incredible size and mass. In a fight those muscles need oxygen and it takes them longer to recover after expending lots of energy. Bigger isn’t always better,” 

現代のヘビー級は信じられないくらいに巨大化とマッチョ化が進んでいる。戦いの中で大きな筋肉は大量の酸素を必要とし、消耗からの回復には中量級のボクサーよりも長い時間がかかる。大きけりゃ良いってわけじゃないんだ。

私は最初の大番狂わせ(1994年9月24日:オリバー・マッコール戦)を食らったとき、トレーナーをエマヌエル・スチュワードにスイッチした。

AJのロバート・マクラッケンが素晴らしいトレーナーであることは疑いようがない。ただ、何かを変えなきゃいけないときがある。
 




♣️ジョージ・フォアマン♣️
AJは随分と落ち込んでるだろうな。でも、俺を見ろ。

俺がキンシャサで起こされた番狂わせと比べたら、全然大したことがない。世間だって静かなもんだ。

10年も経てば「AJが負けたメキシコ人、なんて名前だっけ?」とみんなの記憶は薄れてるさ。

俺なんて40年以上経ってもボクシングのメディアは毎年その日が近くなると特集をぶち上げるし、アリのことを聞いてこないヤツはいない。

あのときは、この地球からいなくなりたかった。 

AJ、お前は俺よりもはるかにマシだ!

私はリマッチが叶わなかったが、AJは必ず雪辱するだろう。そして、ワイルダーとフューリーに勝てばいいんだ。全部チャラになる。

どんなに重い敗北に見えても、取り返せないものはない。

Cheers AJ! 

ゆっくり休んで立ち上がれ。応援してる。




♣︎タイソン・フューリー♣︎

人生いろいろあって当たり前だ。俺が言うんだから間違いない。

ヘビー級ではこんなこと、珍しくない。

“Rest up, recover, regroup and come again.

ゆっくり休んで、元気になったら、また戻ってきたらいいのさ。俺みたいにね。