田口良一のワンツーに田中恒成が一瞬、腰を落とした3ラウンド。直後に田口が一気に攻勢をかけた数十秒間を除いて、12ラウンド36分間を支配したのは王者でした。

恒成の攻撃に、いつ決定的な場面が訪れても不思議ではないラウンドが重ねられますが、ついにその瞬間を作ることは出来ませんでした。

飯田覚士が「腰が高い、浮ついている」と指摘したように、開始ゴングから田口の重心は安定していないように見えました。

それでも、ダイハードは健在。田口は大きくグラついたり、手数が途絶えたり、完全に効かされた素振りを最後まで見せませんでした。

そして、恒成はいつも以上に上手くて、速くて、鋭角でした。
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恒成をサポートするCBSと関東でも生中継してくれたTBSには感謝ですが、9ラウンド途中に「田中恒成 初防衛に成功」のテロップが流れたのはいただけません。ヒューマンエラーの類でしょうが、こんなことは二度と起こしてはなりません。

大量リードが確実の採点もお構いなく、恒成は当たり前だと言わんばかりに12ラウンドも攻め続け、田口もそれに応じます。

試合終了を告げるゴングが鳴って、スティーブ・ウィリス主審が笑顔で「OK!OK!(素晴らしい!)」と二人に何度も語りかけているシーンが印象的でした。

楽に流そうとしない王者に、絶対に諦めない挑戦者。

これぞ、ボクシングです。これぞ、世界タイトルマッチです。