8年前にひっそりと開幕し、決勝戦も臭いものに蓋をするように終わってしまった「バンタム4」。
SHOWTIMEが、ボクシング中継で先行するHBOへの対抗の狼煙として打ち上げた「WORLD Boxing Super6」は、混迷を極めているWBSSとそのコンセプトの表裏が全く同じものでした。
世界最強が誰なのかがわからない21世紀に「階級最強トーナメント」という〝表〟の大義名分を掲げた一方で、結局は「米国や世界的に不人気の階級でのトーナメント」というニッチな〝裏〟が実は〝オモテ〟だったという、持続可能性の無い徒花でした。
それでも「スーパー6」は欧州、特に英国で人気のスーパーミドル級にスポットを当てた〝妙案〟で、商業的にも成功したと言って良いでしょう。
もちろん、米国で人気のウェルター級でやるには100%不可能な〝ニッチの〟トーナメントでしたが、アンドレ・ウォードというPFPキングと、カール・フロッチというグラディエイター、二つの大きな果実を実らせたのですから。
しかし、アジア圏を除いて完全マイナーなバンタム級に最強トーナメントを持ち込むのは、それが欧米主導で進められることに、そもそもの無理がありました。
カレ・サウザーランドに「井上が最初に世界タイトルを取った階級と相手は?」と質問したら、苦笑いをして話をそらすしかないのは誰にでもわかります。
「じゃあ、井上が戦った相手を誰でもいいから一人挙げてくれ」と聞いたら、今度は爆笑しながらどこかへ逃げ込むでしょう。
日本でボクシングファンを自認してる人でも、井上よりも世界評価が高いWBSSクルーザー級優勝者の名前を挙げられる人がどれだけいるでしょうか?
そのウクライナ人の対戦相手を何人知っているでしょうか?
「リング誌を単独カバーした井上はすごい!」と喜ぶファンに、それをきっかけにリング誌のこと、カバーしてるボクサーのこと、井上に先んじてWBSSを優勝して全てのメディアで年間最高選手に輝いたウクライナ人のことを知ろうとする姿勢があれば、日本のボクシングファンの民度も上がるのですが…現状では「亀田」が「井上」に世間一般の認知度は遥かにスケールダウンしてすり替わっただけです。
悲しいかな、現状のプロボクシング界の構造ではスーパースターが最も強いパワーを持っています。
そんなスポーツは他にありません。もちろん、プロボクシングには世界的な統括団体がないからですが。
IOCやIAAFはウサイン・ボルトよりもパワーもマネーも持っています。
FIFAはリオネル・メッシよりも大きな権力を持っています。
しかし、ボクシングでは主要4団体でもカネロ・アルバレスの年収に匹敵する収益をあげている団体などありません。
IOCやIAAF、FIFAは世界の統括団体です。ボクシングで主要団体と呼ばれるのは全てが、承認団体に過ぎません。
興行規模に比例する世界タイトルマッチを承認する料金をせしめて生業とする、例外の無い腐敗団体です。
「承認料は興行規模に比例する」というシステムもよく考えるとおかしな話ですが、それゆえに興行規模が大きいイベントを承認したいと考えるのは当然です。
▶︎軽量級なら日本で開催して、日本人に王者になって長く防衛して欲しい。
▶︎中量級以上なら米国でメキシカンかプエルトリカン、あるいはアフリカ系米国人に王者になって欲しい。
そんな承認団体の身勝手で「不公平な力学」が働くのは、考えてみると当然です。
そんな絶対的な背景が存在するにもかかわらず、8年前にバンタム級最強トーナメントを立ちあげたのが 、勇気あふれる?SHOWTIMEでした。
しかし、当時階級最強と誰もが考えていた長谷川穂積と、PFPファイターのノニト・ドネアに送った招待状が「こんなファイトマネーでやってられるか」と破り捨てられた時点で「不公平な力学」に大きく傾くのは仕方がありませんでした。
軽量級ど真ん中の118ポンド、バンタム級は欧米のボクシングシーンのレーダーには引っかからないステルスです。
わかりやすく言えば、大きな需要のないマイナー階級です。

わかってるつもりでしたが8年前の「バンタム4」で思い知らされました。
それなのに、私はバカだから今回のWBSSは「バンタム4」よりはマシだろうと、何の根拠もないのに思ってしまいました。
「優勝賞金1000万ドルはありえないけど、100万ドルくらいならならありうるかも」と。
井上尚弥が「見てみたい」と願う、「マニー・パッキャオの風景」は、少なくともフェザー級以上に階級を上げなくてはその網膜に映ることはありえません。
もちろん、バンタム級でUndisputed Champion になれば井上はパッキャオも見たことが無い風景を見下ろすことができます。
パッキャオの〝世界記録〟は、アルファベット団体も含めた8階級制覇で、リネラル王座は半分の4つ、そしてUndisputed Champion の座には一度も就いていません。
フロイド・メイウェザーもUndisputed Champion になったことは一度もありません。
その意味においては、井上はパックメイを超える可能性があります。
話がそれましたが「バンタム4」は、不人気階級にもかかわらず SHOWTIMEが主催したことで、選手サイドから待遇に対する不満が噴出します。
「マレスだけ10万ドル以上で、俺たちは1万ドルもないなんておかしい!」。ジョゼフ・アグベコやヨニー・ペレスの叫びは至極まっとうなものでした。
しかし、高等技術とタフな肉体を持つガーナ人やコロンビア人は、日本のジムが「見なかったことにする」典型的なボクサーでした。
当時、帝拳の長谷川陣営、WOWOW(ジョー小泉)は「マレスにオファーしたが逃げられた」と繰り返していましたが、彼らはマレスにどんな条件を出したのでしょうか?
まさか、ネストール・ロチャら雑魚挑戦者と同じ1万ドルレベルなら、そりゃ断ります。
それをもって「マレスは長谷川から逃げた」という理屈は、長谷川もドネアも「バンタム4」から逃げたという理屈と同じです。
これは井上尚弥陣営も同じです。
「ジェルイン・アンカハスには通常の挑戦者の4倍の報酬を提示したが逃げられた」(大橋秀行)。
面白いロジックです。通常の挑戦者がいくらなのか聞きたいですね。
ボクサーを志した人間が、誰が逃げるか?
あまりに酷い報酬を提示して「アンカハスが逃げた」「カリド・ヤファイが逃げた」なんて言っちゃいけません。
断った(逃げた)オファーは隠して、(ヤファイのプロモーター)エディ・ハーンが「 井上は怖くないがHBOの提示した待遇は我々をバカにしている」と、 スーパーフライ興行を蹴ったのは当然です。
軽量級こそ、報酬を明らかにしなければなりません。
低くてもいいんです。
そこからが、スタートです。
また「バンタム4」の話が先延ばしになってしまいました…。
SHOWTIMEが、ボクシング中継で先行するHBOへの対抗の狼煙として打ち上げた「WORLD Boxing Super6」は、混迷を極めているWBSSとそのコンセプトの表裏が全く同じものでした。
世界最強が誰なのかがわからない21世紀に「階級最強トーナメント」という〝表〟の大義名分を掲げた一方で、結局は「米国や世界的に不人気の階級でのトーナメント」というニッチな〝裏〟が実は〝オモテ〟だったという、持続可能性の無い徒花でした。
それでも「スーパー6」は欧州、特に英国で人気のスーパーミドル級にスポットを当てた〝妙案〟で、商業的にも成功したと言って良いでしょう。
もちろん、米国で人気のウェルター級でやるには100%不可能な〝ニッチの〟トーナメントでしたが、アンドレ・ウォードというPFPキングと、カール・フロッチというグラディエイター、二つの大きな果実を実らせたのですから。
しかし、アジア圏を除いて完全マイナーなバンタム級に最強トーナメントを持ち込むのは、それが欧米主導で進められることに、そもそもの無理がありました。
カレ・サウザーランドに「井上が最初に世界タイトルを取った階級と相手は?」と質問したら、苦笑いをして話をそらすしかないのは誰にでもわかります。
「じゃあ、井上が戦った相手を誰でもいいから一人挙げてくれ」と聞いたら、今度は爆笑しながらどこかへ逃げ込むでしょう。
日本でボクシングファンを自認してる人でも、井上よりも世界評価が高いWBSSクルーザー級優勝者の名前を挙げられる人がどれだけいるでしょうか?
そのウクライナ人の対戦相手を何人知っているでしょうか?

悲しいかな、現状のプロボクシング界の構造ではスーパースターが最も強いパワーを持っています。
そんなスポーツは他にありません。もちろん、プロボクシングには世界的な統括団体がないからですが。
IOCやIAAFはウサイン・ボルトよりもパワーもマネーも持っています。
FIFAはリオネル・メッシよりも大きな権力を持っています。
しかし、ボクシングでは主要4団体でもカネロ・アルバレスの年収に匹敵する収益をあげている団体などありません。
IOCやIAAF、FIFAは世界の統括団体です。ボクシングで主要団体と呼ばれるのは全てが、承認団体に過ぎません。
興行規模に比例する世界タイトルマッチを承認する料金をせしめて生業とする、例外の無い腐敗団体です。
「承認料は興行規模に比例する」というシステムもよく考えるとおかしな話ですが、それゆえに興行規模が大きいイベントを承認したいと考えるのは当然です。
▶︎軽量級なら日本で開催して、日本人に王者になって長く防衛して欲しい。
▶︎中量級以上なら米国でメキシカンかプエルトリカン、あるいはアフリカ系米国人に王者になって欲しい。
そんな承認団体の身勝手で「不公平な力学」が働くのは、考えてみると当然です。
そんな絶対的な背景が存在するにもかかわらず、8年前にバンタム級最強トーナメントを立ちあげたのが 、勇気あふれる?SHOWTIMEでした。
しかし、当時階級最強と誰もが考えていた長谷川穂積と、PFPファイターのノニト・ドネアに送った招待状が「こんなファイトマネーでやってられるか」と破り捨てられた時点で「不公平な力学」に大きく傾くのは仕方がありませんでした。
軽量級ど真ん中の118ポンド、バンタム級は欧米のボクシングシーンのレーダーには引っかからないステルスです。
わかりやすく言えば、大きな需要のないマイナー階級です。

アブネル・マレスを例外にして、日本の世帯年収に遥かに届かない2〜3万ドル以下の薄給でも「バンタム4」に参戦したのは、実力十分ながら人気は全く無い3人でした。
わかってるつもりでしたが8年前の「バンタム4」で思い知らされました。
それなのに、私はバカだから今回のWBSSは「バンタム4」よりはマシだろうと、何の根拠もないのに思ってしまいました。
「優勝賞金1000万ドルはありえないけど、100万ドルくらいならならありうるかも」と。
井上尚弥が「見てみたい」と願う、「マニー・パッキャオの風景」は、少なくともフェザー級以上に階級を上げなくてはその網膜に映ることはありえません。
もちろん、バンタム級でUndisputed Champion になれば井上はパッキャオも見たことが無い風景を見下ろすことができます。
パッキャオの〝世界記録〟は、アルファベット団体も含めた8階級制覇で、リネラル王座は半分の4つ、そしてUndisputed Champion の座には一度も就いていません。
フロイド・メイウェザーもUndisputed Champion になったことは一度もありません。
その意味においては、井上はパックメイを超える可能性があります。
話がそれましたが「バンタム4」は、不人気階級にもかかわらず SHOWTIMEが主催したことで、選手サイドから待遇に対する不満が噴出します。
「マレスだけ10万ドル以上で、俺たちは1万ドルもないなんておかしい!」。ジョゼフ・アグベコやヨニー・ペレスの叫びは至極まっとうなものでした。
しかし、高等技術とタフな肉体を持つガーナ人やコロンビア人は、日本のジムが「見なかったことにする」典型的なボクサーでした。
当時、帝拳の長谷川陣営、WOWOW(ジョー小泉)は「マレスにオファーしたが逃げられた」と繰り返していましたが、彼らはマレスにどんな条件を出したのでしょうか?
まさか、ネストール・ロチャら雑魚挑戦者と同じ1万ドルレベルなら、そりゃ断ります。
それをもって「マレスは長谷川から逃げた」という理屈は、長谷川もドネアも「バンタム4」から逃げたという理屈と同じです。
これは井上尚弥陣営も同じです。
「ジェルイン・アンカハスには通常の挑戦者の4倍の報酬を提示したが逃げられた」(大橋秀行)。
面白いロジックです。通常の挑戦者がいくらなのか聞きたいですね。
ボクサーを志した人間が、誰が逃げるか?
あまりに酷い報酬を提示して「アンカハスが逃げた」「カリド・ヤファイが逃げた」なんて言っちゃいけません。
断った(逃げた)オファーは隠して、(ヤファイのプロモーター)エディ・ハーンが「 井上は怖くないがHBOの提示した待遇は我々をバカにしている」と、 スーパーフライ興行を蹴ったのは当然です。
軽量級こそ、報酬を明らかにしなければなりません。
低くてもいいんです。
そこからが、スタートです。
また「バンタム4」の話が先延ばしになってしまいました…。
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