ケース②ナジーム・ハメドの臆病(失敗例)
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【リング誌2015年8月号=BRITISH ROYALTY やっと殿堂入りしたナジーム・ハメドの特集です。「〝プリンス〟はエンターテインメントという面ではキングだった」と皮肉もチクリ。】

ナジーム・ハメドの場合は、失敗例です。

イエメン大統領やサウジアラビアの王家をスポンサーに、WBOフェザー級を15度も防衛、WBAやIBFの対立王者も倒し、全盛期は階級最強と目されていました。

さらに、軽量級では稀有な100万ドルファイターで、マルコ・アントニオ・バレラ戦では軽量級史上最高600万ドルの報酬を得ました。

しかし、ハメドは殿堂入りの資格を獲得した2007年の一発殿堂は叶いませんでした。その後もウエィティングサークルから8年間も解放されず、2015年にやっと殿堂入りが認められたのです。

強い相手から逃げた。

特にファン・マヌエル・マルケスからは、あからさまに逃亡した、という事実から記者の投票が遠ざかったのが、殿堂入りを阻んでいた理由でした。

There are those who rightfully dock Hamed points for his blatant duck of then-rising contender and mandatory challenger Marquez.
最強の指名挑戦者のマルケスからはあまりにも露骨に逃亡したことから減点する記者もいた(ESPN)

もし、マルケスと戦っていたら…精神面ですでに惨敗しているのですから勝負にならなかったでしょう。エリック・モラレスの挑戦を受けていたら、打たれ弱いナズは凄惨なKO負けを喫していたに違いありません。

しかし、敗れたとはいえバレラ戦で見せたように十分な実力の持ち主でした。

マルケス、モラレス、バレラのレベルからは乖離していますが、日本人キラーだったウィルフレド・バスケスや、強豪ケビン・ケリーにも勝っています。

それでも、ライトヘビー級で強豪をことごとく撃破、ヘビー級のリネラル王者ラリー・ホームズまで撃ち落として歴史的評価を確固たるものにしていたマイケル・スピンクスがタイソン戦を先延ばしにするのと、目の前の強敵から露骨に逃亡するハメドは全く違います。

リング誌の80年代PFPでもスピンクスは4位、タイソンは7位ですが、ナジーム・ハメドは彼が活躍した90年代のPFPでは圏外の扱いです。

報酬面でもモラレス戦などが実現していたら、キャリア最高の大金を獲得していたはずです。

あれだけの実績、あれだけのパフォーマンスを魅せたのに「チキンだから」という理由だけで一発殿堂が果たせなかったというのは可哀想な気もしますが、一方で納得も出来てしまいます。