アレッシャンドリ・パントージャが2/5(1.4倍)、朝倉海 が19/10(2.9倍)。戦前のオッズが異様に接近していたのは「スター誕生への期待」だけだったのかもしれません。

朝倉海が勝利すると、日本でUFCの扱いについて議論が巻き起こるはずでしたが、そんな〝心配〟も杞憂に終わりました。

「奇跡が起きなくて残念」。それが、正直な気持ちです。

舞台に飲み込まれた、過剰に緊張・萎縮していた、そういうわけではないでしょう。だからこそ、余計に厳しい現実が突きつけられました。

海の貧弱で怪しいキャリアでは、奇跡を願うしかないのが現在のUFCのレベルです。オクタゴンすら存在しない、そもそもスポーツから逸脱している日本の総合格闘技のぬるま湯につかっていてはどうしようもありません。

テニスボールをプラスティックバットで打つ三角ベースから、メジャーリーガーを目指すようなものです。

オープニングのブザーの直後、パントージャは何者かわからない日本人を警戒していたでしょう。しかし「すぐにこいつは弱い」と確信したと言います。

一方の海は、自分とパントージャのレベル差すらわからなかいまま締め落とされてしまいました。再戦しても、対策のしようがない、そんな惨敗でした。

ボクシングの軽量級や柔道、水泳などの競技は日本国内にとどまっていても世界基準の技術を習得できます。野球やサッカーでも、世界に羽ばたく準備が出来る良い意味で手頃なリーグがあります。

しかし、総合格闘技にはそんなものはなく、UFCチャンピオンを目指すのに、RIZINなどは百害あって一利なしです。

野茂英雄やイチロー、大谷翔平のように日本のスターがメジャーに乗り込んで大活躍するのは一つの理想型ですが、この国のMMAにはメジャーへの発射台は全く整備されていません。というか、まともなMMA団体すら存在しません。

真剣勝負、スポーツとしての総合格闘技の舞台を整えるのが非常に難しい作業になるのは、RIZINを見れば一目瞭然。ならば、太平洋を渡って技術を磨くしかありません。



同じ時間帯に、ESPNがラスベガスのUFCイベントと、アリゾナ州フェニックスのボクシングイベントを生中継しましたが、どちらがメジャーかは誰の目にも明らかです。

いつの日か、UFCのチャンピオンベルトを腰に巻く日本人が出現する日を夢見ています。