野球やサッカーのトップリーグのように専用のスタジアムを持たないボクシングは、たとえ世界ヘビー級タイトルマッチであっても貸し会場で行われます。 長いシーズンを通してのリーグ戦開催があり得ないという競技特性を考えれば、当たり前の話です。 タイのラジャダムナンやルンピニーのようなムエタイやボクシングの専用スタジアムは世界的にも極めて稀れで、格闘技のメッカとされる東京水道橋の後楽園ホールも貴重な存在です。 IMG_0411
その貸し会場、日本では那須川天心や井上尚弥が戦った東京ドームが〝最高到達点〟。その先があるとしたら、国立競技場でしょうか。 世界的には巨大さではロンドンの9万人収容のウェンブリー・スタジアムや、ダラスの8万人の AT&Tスタジアムなど、屋内ではニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン、ラスベガスのT-モバイル・アリーナが有名です。 ラスベガスでは、UFCに〝先乗り〟されたザ・スフィアがボクシング〝未踏〟の大物会場として残されていますが、ここに最初に乗り込むのは誰になるのでしょうか。 日本人というくくりでは、井上も天心も米国での知名度が問題外なため、世界的な大会場はおろかその下のランクの会場ですら、メインを張るのは現実的ではありません。 ボクシングをはじめその他プロ格闘技でもガラバゴス化が目立っていますが、今週末にT-モバイル・アリーナで朝倉海がUFCフライ級タイトルに挑戦します。 日本におけるMMAはキックボクシングと同様に一般メディアではスポーツと認められていません。

しかし、21世紀最大の格闘技イベントとなった「天心vs武尊」とは違い、すでに米国でボクシングよりも大きな関心を集めているUFCのタイトル獲得となると「日本人初」の快挙、主要メディアがどう捉えるのか、注目されます。

Forbes誌によると、格闘技の企業価値ランキングの1位はUFCで約113億ドル。

ボクシングは5位のマッチルール(約8億ドル)が最高。7位のトップランク(約6億ドル)、8位のPBC(約6億ドル)、9位のGBP(4.5億ドル)を合わせてもUFCの足元にも及ばないのが現実です。

そのUFCのタイトルマッチに日本人が挑戦するのです。

とはいえ、ボクシングの井上らと同じように米国では無名の朝倉海。そのクラスも軽量級で、注目度は低く、チケットの売れ行きも想定以上に鈍いと報道されています。 UFCに夢を抱いた堀口恭司も報酬の低さと注目度の低さに嫌気がさして日本に戻りましたが、この構図は井上にも相似します。 欧米の格闘技ファンは軽量級について「ミゼット」という言葉を使うことがあります。ミゼットプロレスと同じカテゴリーに思えるのかもしれません。 何につけても、タイトル奪取なら歴史的な快挙です。 ウィリアム・ヒルのオッズは王者アレッシャンドリ・パントージャが2/5(1.4倍)、海が19/10(2.9倍)。意外なほど接近しています。