契約金(退職金)をもらって入団する選手の所有権は、球団にあります。

しかし、それが選手生命全てを包含する終身契約であることは時代にそぐわなくなり、フリーエージェント制度が設けられました。

ポスティングシステムは、海外FA権取得まで待てないという選手と、引き留めたい球団の妥協の産物です。

正確には、球団と選手、そのあいだを繋ぐファンの意識=世論の「妥協」点を探るのがポスティングシステムです。

妥協の要素はいくつかありますが「チームへの貢献度」に加えて、ほぼ同じ意味ですが「ファンの納得度」も大きな柱でしょう。

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ポスティングシステムの主導権は球団にあります。球団が妥協しなければ落とし所も何もありません。

ただし、入団の際の契約条項に「海外FA権取得の前にポスティングでMLBに挑戦する」ことを特別に認めることが明文化されていたケースなら、全く話が変わってきます。

佐々木とロッテの間に、明文化された契約はなかったと思われます。

それでも佐々木の場合、入団契約のときから現在までMLB挑戦への話し合いが継続的に行われてきたことを球団が認めています。

その中で、いくつもの〝口約束〟がかわされたのは、球団側が肯定も否定もしないことからも明らかです。

口約束に効力がないことは、普通の世の中なら当然です。しかし、佐々木朗希の住むのは野球ファンが目を光らせる、その一点では清廉潔白な世界です。

高校生を口約束で騙したかもしれない球団を、私たちは許しません。

佐々木はデビューの年は登板ゼロ、2年目からの4年間で29勝15敗、防御率2.10という成績を残しました。この間、日本プロ野球史上最も衝撃的な「17イニング連続無安打&52者連続アウト」をマークしています。

全ての完全試合は「圧倒的に実力のある投手と、野手の好守や打球が正面をつくなどの幸運が重なる」ことで生まれる偶然の産物ですが、佐々木は幸運をほとんど排除した、史上最高に高純度な、必然の完全試合を演じきりました。

高卒5年間で千葉ロッテマリーンズにどれほど貢献したかは、29勝15敗という数字だけでは測ることなどできません。

そもそも、高卒ルーキーから5年間で29勝15敗。十分すぎる成績です。

貢献が足りないと口にする関係者やファンは、どの程度なら「十分」と考えているのでしょうか?

50勝くらいして、チームを優勝させてたらOK?50でもダメ?60勝?

あの球団の近年のドラ1を並べても、佐々木の貢献度は頭抜けています。

佐々木は、高利回りの金融商品としても十分元を取ったでしょうに。

これ以上、何が欲しいのか?

口約束もあった、貢献度も十分、でも口約束だからポスティングはさせません…では、まともな野球ファンが許してくれません。

佐々木を「自分勝手」というのは全く的外れで、文句を言う輩はまともな専門家でもまともなファンでもありません。

もちろん、細かい条件が明文化されている海外FAに対して、非常に曖昧な部分を残したままのポスティングは〝欠陥ルール〟です。

今回、球団から嗅ぎ取れる「今行かれたら、損しちゃうじゃないか!」という見当はずれな感覚は、傑出した才能と評価を集める選手を超高利回りの金融商品だと考えている暗愚な勘違いに起因します。

佐々木で「50億円は儲かると思ってたのに!悔しー」というのはアホです。


そして、この種の問題が孕んでいる、やはり勘違いな意識は、日本の超トップ選手のMLB挑戦が人材の「流出」だという偏狭なモノの見方、です。

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横浜ベイスターズの南場智子オーナーは「飛行機に10時間乗って海を渡ると、年俸が桁違いになるので悔しい面もあります。日本のプロ野球を産業として規模をもっと発展させる必要がある」と、報酬面でもMLBに負けない魅力作りが大切だと語っています。

南場オーナーは、今永昇太はMLBに流出したと考えているのかもしれませんが、「流出」という言葉も大間違いです。

今永は違うステージで輝き、違う尊敬を集めたのです。

極端な例になりますが、大谷翔平は「流出」ですか?全く違うでしょう。本気でそう考えてるバカがいるなら、そいつは正真正銘の阿呆です。

あれは、あれが最も輝く場所に奉納すべきものであり、そうなりました。

今永もまたあれの一種で、もちろん佐々木もそうです。

南場オーナーがいうように「産業としてMLBに負けっぱなしは悔しい」という考え方も、極めて健康的な正論。

最も輝ける場所をMLBから奪い取るのを目指し、その差が少しでも縮まるように奮闘努力するのは、これも企業組織であれば当然です。

そして、どんなに道が遠くても、最終的にはリアル世界一決定戦・日米ワールドシリーズの開催から目を逸らさずに、そこを睨み続けることです。

とはいえ、現状では報酬はもちろん、競技レベルや舞台の華やかさでMLBに大きく遅れとっています。

しかし、NPBのトップ選手がMLBを目指すのが「報酬が桁違いになるから」だけではないのは、誰もがわかっています。

成功の暁には、NPBでは経験できないレベルの栄光が待っているのです。

レベルが違うのは競技だけではありません、栄光のレベルも全く違います。

最近でも、タイガースの青柳晃洋は「僕(の評価)では、カネなら日本にいた方がたくさんもらえます」と、MLB挑戦の意気込みを語りました。

よりレベルの高い場所で、より輝く栄光をつかみたい。

それは、アスリートの本能です。

逆に可哀想なのが井上尚弥ら、ボクシングの軽量級のファイターたち。

彼らは恋焦がれていたラスベガスが、ファイトマネーはもちろん、軽量級にとって華やかな舞台とはかけ離れた場所であることを思い知らされてしまいました。

日本と変わらない報酬と栄光が用意されているのなら、彼らは喜んで太平洋を渡るでしょう…しかし、現実はそうではありませんでした。

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幼いフェルナンド・モンティエルでも、軽量級の本場が「東京」であることを知っていました。「日本では軽量級でも尊敬される」と。


業界がエネルギーを注ぐべきは、これまで繰り返してきたような嘘に嘘を積み重ねるのではなく、米英とは切り離した全く違う魅力のあるマーケットを日本に築くことです。

もちろん、ボクシング人気が完全下り坂の日本だけでなく、フィリピンやタイはもちろん中国など新市場とも提携して、軽量級のビッグファイトを作ること、です。

日本がリードして、ボクシングの〝佐々木朗希〟を、日本を強烈に憧れるアジアの国から引き抜くような未来が一つの理想型です。

もちろん、世界中のアスリートが一目置くESPY賞のようなアワードは欧米主導で、ここをひっくり返すのは不可能、つまり軽量級ボクサーが大谷翔平や大坂なおみのような世界的なスターになることは無理かもしれません。

…だからといってー🎵

塞ぎ込んで、

お前の空まで、

曇らせてたまるかーー♬




まだまだ続きますが、18時から飲み会。