SATURDAY, SEPT. 30

Las Vegas (Showtime PPV)
 
vs. 
Jermell Charlo (jr. middleweight champion)
super middleweights 

(for Canelo’s Ring/IBF/WBA/WBC/WBO titles)

現代のボクシングシーン、少なくとも北米市場の主人公はカネロ・アルバレスです。

しかし、昨年は圧倒的有利、どう倒すのかとまで言われたドミトリー・ビボルに完敗。そのあとはゲンナジー・ゴロフキン、ジョン・ライダーに勝利を収めましたが、いずれも判定まで粘られてしまい、その勢いも評価も液状化したままです。 

そして、T -MobileアリーナをUFCに抑えられたため、9月のメキシコ独立記念日から外れた30日にセットされた試合の相手はジュニアミドル級のUndisiputed championジャーメル・チャーロ。

ジャーメルの双子の兄ジャモールが精神的な問題から回復できないことから、急遽白羽の矢が立ったジャーメルは2階級下というだけでなく、9月30日のリングは1年4カ月のブランク明け。

オッズはカネロ勝利が4/11(1.36倍)、チャーロ11/5(3.2倍)と明白にメキシカン有利ですが、その差は多くのファンが想像したほどはありません。



両者の数字を比較すると、32歳のチャーロは、来週33歳になるカネロよりも一つ下。

チャーロは2007年プロデビュー、16年のキャリアで37戦35勝19KO1敗1分。250ラウンドを消化してきました。

一方のカネロは、3年遅い2010年デビューにもかかわらず63戦39KO2敗2分、472ラウンドを戦ってきました。

メガファイト続きのカネロが肉体的にはもちろん、精神的にも消耗しているのは間違いありません。

そして、両者の体格を比較するとカネロが身長173㎝/リーチ179㎝。ジャーメルは183㎝/185㎝。2階級飛び越えてきた挑戦者の方が身長もリーチも上。

もちろん、前日計量時ではほとんど同じ体重。身長とリーチの大きさとは、体の薄さであり、逆に身長とリーチの短さは体の分厚さです。

小さく分厚いカネロは、このクラスでチャーロの体格は平均的。従来の相手と大きく変わらず、練習相手に事欠きませんが、チャーロにとってカネロは極めて異質な相手です。

その一方で、ジュニアミドル級時代のカネロはあからさまにチャーロ兄弟との対戦を避けていました。身体能力が高く、しなやかなスピードと硬質の強打を併せ持つAfricana-Amerikan との対戦はカネロのキャリアで、やはり異質。

強打に欠けるオースティン・トラウト、スピードが物足りないダニエル・ジェイコブス、完全劣化バージョンのシェーン・モズリー、レベルが世界基準に達していないジェームス・カークランド…カネロが戦ってきたAfricana-Amerikanは何かしらのピースが抜け落ちたボクサーでした。

2階級飛び越えてPFPファイターのUndisputed championに挑戦するジャーメルが不利と見られるのは当然です。

しかし、2008年のマニー・パッキャオは9カ月で4階級でトップレベルの選手を撃破しました(3月:ジュニアライト級王者ファン・マヌエル・マルケス/6月:ライト級王者デビッド・ディアス/12月:ウエルター級オスカー・デラホーヤ)。

ジャーメルは才能豊かなファイターですが、もちろんパッキャオではありません。

それでも、もしかしたらという予感のツボミが膨らむだけの理由は一つだけではありません。

もし、ジャーメルがカネロを倒してスーパーミドル級でもUndisputed championになると、今年のFighter Of The Yearの最右翼に躍り出そうです。

井上のFighter Of The Year獲得を期待したい私たちとしては、この試合も「クロフォードvsエロール・スペンスJr.」も凡戦に終わって欲しい気持ちがどこかにありますが…。