ESPNなどでの理論派解説者として有名なテディ・アトラスは、トレーナーとしても多くの選手を指導してきました。
晩年のウィルフレド・ベニテス、バリー・マクギガン、サイモン・ブラウン、ドニー・ラロンデ、ジョーイ・ガマチェ、マイケル・モーラー、アレキサンダー・ポベトキン、ティモシー・ブラッドリー、オレクサンダー・グヴォズディクを指導してきました。
しかし、もっとも有名なのはキャッツキルのカス・ダマト邸でマイク・タイソンにボクシングを教えたことでしょう。
タイソンの蛮行をダマトが何度も看過することに愛想をつかせていたアトラスは、タイソンが姪っ子を強姦しようとしたことに激怒、タイソンの頭に拳銃を突きつけて「次にやったら引き金をひく」と警告したとこで、トレーナーを解雇されます。
キャッツキルに残されたトレーナーは、ケビン・ルーニー。アトラスが採用したナンバリンスシステムの数字をコーナーで連呼するなど、史上稀に見る暗愚なトレーナーで、タイソンの忠実なイエスマン。
そもそもナンバリングシステムは、実践にはそぐわない練習法だとアトラスから何度も注意されていたというのに…。
アトラスは「タイソンは素質だけなら超一流。しかし、技術的にはバックステップが全く踏めないなど大きな欠陥をいくつも抱えている。相手が怖がってくれているうちは何とかなるだろうが、負けたらおしまい。タイソンを怖がらない相手が現れてもおしまい」。そんな捨て台詞を残してキャッツキルを去ります。
そんな慧眼のアトラスが「カネロvsライダー」を、自身のYouTubeチャンネルと米国の専門サイトBOXING NEWS24で展望しています。
以下、ウイスキーのブレンダー、リチャード・パターソンを目指してブレンドした拙訳です。
テディ・アトラスはジョン・ライダーについて「常識的に勝機はない」と斬り捨てます。
ただ、カネロ・アルバレスに対しては「年齢的には32歳だが心身ともに劣化している」と見ています。
「ゲンナジー・ゴロフキンとの3戦目を見てもカネロは、悪い意味でもう若くない。ライダーがカネロに惨敗した相手にことごとく負けていることを指摘する意見も耳にするが、もしカネロが本当に全盛期ならその敗北はマイナスにしか働かない。しかし、どうではない」。
「そこが重要なところだ。カネロは32歳だが、心身ともに全盛期を過ぎている可能性が高い」。
「私はカネロを高く評価してきた。規律を守り練習に対する態度も大好きだ。しかし、過大評価であることは間違いない。メキシコ史上最高のファイター?専門家がそんなことを口にするのを聞いたとき、笑ってしまった。本気ですか?と」。
「15歳でプロデビューしたときからメキシコの人気者で、米国でスターになるまで17年、62戦も戦ってきた。今回の巨大スタジアムでの試合も米国で何度も経験している、T -MobileアリーナやMGMグランドガーデンアリーナは、カネロにとって何も刺激してくれないし、全く特別な場所でないだろう」。
「もちろん、カネロの劣化がライダーに大きな番狂せを起こすほど深刻かどうかは、疑わしい。ただ、ライダーはサウスポーでガッツがあり、カネロが勝った試合を分析してさまざまな攻撃パターンを予想しているはずだ」。
「ライダーが、ドミトリー・ビボルのように洗練された技術でカネロに勝つなんて1万回戦っても絶対に無理だ。しかし、そんなビボル戦ですらヒントに溢れている」。
「カネロは確かに強いし、10代から見違えるほど進化した。しかし、58勝39KO2敗2分という立派な数字は作り物だ」。
「フロイド・メイウェザーとは完敗だったのに、なぜかドローとスコアしたジャッジがいた。あの試合は、メディアやファンの採点が正しい。すなわち120−108」。
「そして、ゴロフキンとの最初の2試合はいずれも負けだ。初戦はどこの国でやってても負け。2戦目もジャブを重視するラスベガスだったんだから確実に負け」。
「ビボル戦は115−113(ラウンドでは7−5の1ラウンド差)とアナウンスされたとき、ボクシング界に身を置いていることが恥ずかしくなった。「カネロ勝利」がコールされる最悪の事態は免れたが、私の採点ではカネロが取ったのは1ラウンドだけ、119-109だった」。
※BoxRecのファンスコアは118−110でビボル。
「エリスランディ・ララとの試合もラスベガスだったのに、うまく捌いたララが負けて、単なる突進を繰り返したカネロが勝ってしまった」。
「どうしていつもプライムタイムの階級No.1ファイターから逃げ回るんだ?長い間が経つが、デビッド・ベナビデスとどうして戦わない?ビボルに完敗したなら、どうしてすぐに再戦条項を行使しない?ライトヘビー級への関心をあれほど熱弁するのに、どうしてアルツール・ベテルビエフの名前は一切出さないのだ?」。
「プライムタイムの階級No.1ファイターと一度も戦わなかったボクサーがメキシコ史上最高なんてあり得ない」。
「カネロは過大評価で劣化もしている。しかし、ライダーが勝てるほど過小評価でもなければ、劣化もしていないだろう」。
********ライダーはAプランしか持っていない不器用なファイター。ゴリラの渾名ほどのパワーもありません。
サウスポーというアドバンテージも、多くの対戦相手がやりにくそうにしていませんでした。
正直なステップ、モーションたっぷりの動きが予想しやすいのは、素人目でもわかります。
もし、同じ動きをメイウェザーがやったら、対戦相手は「これは高度なフェイント、周到な罠だ!」と、大混乱に陥るでしょう。
ウィリアム・ヒルのオッズに教えられるまでもなく「7ラウンド以降(後半)にもつれ込むことはない」と考えるのが、常識的な予想なんでしょうが…ライダーの執念をカネロが持て余し、大番狂せを予想します。
アトラスもあそこまで言ったなら、ゴリラの勝利を予想せいよ!
晩年のウィルフレド・ベニテス、バリー・マクギガン、サイモン・ブラウン、ドニー・ラロンデ、ジョーイ・ガマチェ、マイケル・モーラー、アレキサンダー・ポベトキン、ティモシー・ブラッドリー、オレクサンダー・グヴォズディクを指導してきました。
しかし、もっとも有名なのはキャッツキルのカス・ダマト邸でマイク・タイソンにボクシングを教えたことでしょう。
タイソンの蛮行をダマトが何度も看過することに愛想をつかせていたアトラスは、タイソンが姪っ子を強姦しようとしたことに激怒、タイソンの頭に拳銃を突きつけて「次にやったら引き金をひく」と警告したとこで、トレーナーを解雇されます。
キャッツキルに残されたトレーナーは、ケビン・ルーニー。アトラスが採用したナンバリンスシステムの数字をコーナーで連呼するなど、史上稀に見る暗愚なトレーナーで、タイソンの忠実なイエスマン。
そもそもナンバリングシステムは、実践にはそぐわない練習法だとアトラスから何度も注意されていたというのに…。
アトラスは「タイソンは素質だけなら超一流。しかし、技術的にはバックステップが全く踏めないなど大きな欠陥をいくつも抱えている。相手が怖がってくれているうちは何とかなるだろうが、負けたらおしまい。タイソンを怖がらない相手が現れてもおしまい」。そんな捨て台詞を残してキャッツキルを去ります。
そんな慧眼のアトラスが「カネロvsライダー」を、自身のYouTubeチャンネルと米国の専門サイトBOXING NEWS24で展望しています。
以下、ウイスキーのブレンダー、リチャード・パターソンを目指してブレンドした拙訳です。
テディ・アトラスはジョン・ライダーについて「常識的に勝機はない」と斬り捨てます。
ただ、カネロ・アルバレスに対しては「年齢的には32歳だが心身ともに劣化している」と見ています。
「ゲンナジー・ゴロフキンとの3戦目を見てもカネロは、悪い意味でもう若くない。ライダーがカネロに惨敗した相手にことごとく負けていることを指摘する意見も耳にするが、もしカネロが本当に全盛期ならその敗北はマイナスにしか働かない。しかし、どうではない」。
「そこが重要なところだ。カネロは32歳だが、心身ともに全盛期を過ぎている可能性が高い」。
「私はカネロを高く評価してきた。規律を守り練習に対する態度も大好きだ。しかし、過大評価であることは間違いない。メキシコ史上最高のファイター?専門家がそんなことを口にするのを聞いたとき、笑ってしまった。本気ですか?と」。
「15歳でプロデビューしたときからメキシコの人気者で、米国でスターになるまで17年、62戦も戦ってきた。今回の巨大スタジアムでの試合も米国で何度も経験している、T -MobileアリーナやMGMグランドガーデンアリーナは、カネロにとって何も刺激してくれないし、全く特別な場所でないだろう」。
「もちろん、カネロの劣化がライダーに大きな番狂せを起こすほど深刻かどうかは、疑わしい。ただ、ライダーはサウスポーでガッツがあり、カネロが勝った試合を分析してさまざまな攻撃パターンを予想しているはずだ」。
「ライダーが、ドミトリー・ビボルのように洗練された技術でカネロに勝つなんて1万回戦っても絶対に無理だ。しかし、そんなビボル戦ですらヒントに溢れている」。
「カネロは確かに強いし、10代から見違えるほど進化した。しかし、58勝39KO2敗2分という立派な数字は作り物だ」。
「フロイド・メイウェザーとは完敗だったのに、なぜかドローとスコアしたジャッジがいた。あの試合は、メディアやファンの採点が正しい。すなわち120−108」。
「そして、ゴロフキンとの最初の2試合はいずれも負けだ。初戦はどこの国でやってても負け。2戦目もジャブを重視するラスベガスだったんだから確実に負け」。
「ビボル戦は115−113(ラウンドでは7−5の1ラウンド差)とアナウンスされたとき、ボクシング界に身を置いていることが恥ずかしくなった。「カネロ勝利」がコールされる最悪の事態は免れたが、私の採点ではカネロが取ったのは1ラウンドだけ、119-109だった」。
※BoxRecのファンスコアは118−110でビボル。
「エリスランディ・ララとの試合もラスベガスだったのに、うまく捌いたララが負けて、単なる突進を繰り返したカネロが勝ってしまった」。
「どうしていつもプライムタイムの階級No.1ファイターから逃げ回るんだ?長い間が経つが、デビッド・ベナビデスとどうして戦わない?ビボルに完敗したなら、どうしてすぐに再戦条項を行使しない?ライトヘビー級への関心をあれほど熱弁するのに、どうしてアルツール・ベテルビエフの名前は一切出さないのだ?」。
「プライムタイムの階級No.1ファイターと一度も戦わなかったボクサーがメキシコ史上最高なんてあり得ない」。
「カネロは過大評価で劣化もしている。しかし、ライダーが勝てるほど過小評価でもなければ、劣化もしていないだろう」。
********ライダーはAプランしか持っていない不器用なファイター。ゴリラの渾名ほどのパワーもありません。
サウスポーというアドバンテージも、多くの対戦相手がやりにくそうにしていませんでした。
正直なステップ、モーションたっぷりの動きが予想しやすいのは、素人目でもわかります。
もし、同じ動きをメイウェザーがやったら、対戦相手は「これは高度なフェイント、周到な罠だ!」と、大混乱に陥るでしょう。
ウィリアム・ヒルのオッズに教えられるまでもなく「7ラウンド以降(後半)にもつれ込むことはない」と考えるのが、常識的な予想なんでしょうが…ライダーの執念をカネロが持て余し、大番狂せを予想します。
アトラスもあそこまで言ったなら、ゴリラの勝利を予想せいよ!
コメント
コメント一覧 (4)
フシ穴の眼
が
しました
同感ですね
ゴロフキン2とララ戦もですが、特にゴロフキン1戦が酷かった
あれはゴロフキンの勝ちでしょう
その上、試合後「何が起こったのかわからかった」などと言ったそうです
それはゴロフキンと試合の見ていたファンの台詞だろ、と思ったのを覚えてます
フシ穴の眼
が
しました
ボクシングに真摯に向き合う姿は本物ですが歴史的な選手かどうかは?です。
話は変わりますが、ララvsダニー・ガルシア決定だそうで、さすがWBA。
フシ穴の眼
が
しました