ラバーマッチとは厳密には「決着の第3戦」のことです。

9月17日に行われる「ゲンナジー・ゴロフキンvsカネロ・アルバレス」の場合は、初戦からカネロの1分1勝で迎える第3戦。

ゴロフキンが勝って1勝1敗1分、それで星が並ぶので「決着の第3戦」ではありません。

それでも、この試合を「決着戦」と呼び、ボクシングファンが見たがるのは「初戦が誰の目にもゴロフキン勝利で実質1勝1敗」「2人の間に横たわる確執が試合を煽るためではなく、本物の憎悪」だからでしょう。

初戦をカネロの118-110と見たアデレイド・バードのスコアは誤審を通り越して、ボクシングに対する犯罪だったことも、アンチ・カネロの反感に火を付けています。



リング誌10月号ではカルビン・フォードとイスマエル・サラス、2人のトレーナーが、9月17日の宿命のライバルとの決着戦を深掘り。

フォードはボルチモアのアップトンジムでガーボンタ・デービスを指導する気鋭のトレーナー。

サラスはラスベガスのサラス・ボクシング・アカデミーで教鞭を振るう、日本でもお馴染みのチャンピオンメーカーです。



▶︎▶︎▶︎フォード…この試合でGGGが引退するのかどうかはわからない。カネロは素晴らしいファイターだが、この試合を落とすわけにはいかない。それだけでなく、全盛期ではないGGGに下手な試合は出来ない。

プレッシャーがかかるのはカネロの方。

もし、カネロのトレーナーなら過去の2戦をじっくり見直す。GGGの長所と短所を洗い出す。

キャンプのスパーリングでは、前半はより大きなファイターを用意し、それから小回りのきくスピードのあるボクサーと練習させる。パワーとスピードを養って、年老いたGGGもその差を見せつける展開にするためだ。

ビボルに負けてからの復帰戦、カネロは自分がまだ世界のトップファイターであることを証明しなければならない。

だからと言って、KO狙いの戦略は立てない。世界戦は12ラウンド、目一杯使ってカネロの方がはるかに優れたボクサーであることを披露することに集中させる。



▶︎▶︎▶︎サラス…ビボル戦を見て分かることは、GGGが左ジャブと臨機応変のスイッチで距離を作れば、カネロにパンチを当てるのは簡単だということ。

ビボルだけでなく、エリスランディ・ララやフロイド・メイウェザーが実践したように、正面に立たずに距離を潰せない相手に、カネロは有効な武器を持っていない。

GGGの不安材料は加齢。4〜5年前の練習メニューをこなそうとしてはいけない。心拍数を見ながら、十分な休憩をとって、練習プログラムを柔軟に組むこと。

いつもフレッシュな状態を保つこと。深い疲労を伴う練習は禁物だ。カネロとの2戦目で後半息切れしたのは、オーバーワークの影響かもしれない。

GGGを初めて見たのは2003年バンコクの世界選手権。滑らかなサイドステップを繰り返し、相手を圧倒、金メダルを獲った。

あれから何歳も年を取ったが、アマ時代の動いては打ち、打っては動く、あのスタイルを思い出すこと。

とにかく、試合より消耗する練習は必要ない。



カネロ優位のオッズは変わりませんが、カネロ1/4(1.25倍)、ゴロフキン3/1(4倍)と叩いているブックメーカーもあり、ビボル戦前の「一方的な試合になる」という予想に裏付けられた掛け率は見当たりません。

日本のボクシングファンからすると、GGGがカネロにキャリア初のストップ負けを味あわせるシーンを期待したいところです。