149ポンド契約・12回戦
圧倒的不利予想の中でミドル級の強豪王者に挑み、大きな挫折を経験した英国のスター2人の因縁の激突です。
共に1986年生まれの二人は、互いを常に意識し続けてきました。
ウェルター級王者からゲンナディ・ゴロフキンに挑んで重傷を負ったブルックは5月3日生まれ。
ジュニアウェルター級ながらカネロ・アルバレスとのキャッチウェイトのミドル級戦で壮絶なKO負けに散ったカーンは12月8日生まれ。
優れたスピードとボクシングセンスを武器に、米国で一旗挙げるという夢に突き進んだ2人は英国の希望でした。
そして、その希望の光が翳り、35歳になってようやく実現した究極のライバル対決。
ブレイディス・プレスコットに初回でノックアウトされ、ラモント・ピーターソンには惜敗。ダニー・ガルシアとカネロ、テレンス・クロフォードに破壊されたカーン。
対して、ブルックが負けたのはゴロフキンとエロール・スペンスJr.、クロフォードの3試合だけ。
「ポカの多いカーンと、強いやつにしか負けていないブルック」という背景から、オッズはブルックが1.76倍、カーン2.46倍と7ヶ月年長のブルックが有利と叩かれています。

キャリアの〝落とし所〟をどこにするのか?そんな黄昏の時刻を迎えた二人のライバルレース、前半はカーンが先行していました。
アテネ2004のライト級で銀メダルを獲得したとき、カーンはまだ17歳。英国史上最年少メダリストとして大きな注目を集めます。
2009年、プロで世界王者になったのは22歳7ヶ月と10日もナジーム・ハメド(21歳7ヶ月と18日)、ハービー・ハイド(22歳6ヶ月と20日)に続く史上3番目の若さでした。
King Khanは間違いなく〝国民的英雄〟の有力候補だったのです。
The Special Oneのハイライトは2014年8月16日、IBFウェルター級王者ショーン・ポーターをマジョリティデジションで競り落とした一戦です。
英国にとって最も晴れやかな名誉が「米国の強豪王者を米国で倒す」ことです。
彼らが生まれた1986年、ロイド・ハニーガンがドン・カリーを破って以来の快挙をやってのけたのです。(ハメドも米国でケビン・ケリーを破って王者に就いていますが、HBOを〝買収〟したハメドは完全Aサイドで、この種の快挙にはカウントされません)
2人の対決が最初に具体化したのは、なんと2005年8月。17年前に遡ります。
当時のブルックは8戦全勝の6回戦ボーイ。カーンは1ヶ月前の7月に1ラウンドKOでデビューしたばかりのスーパースター候補。
つまり、ブルックは噛ませ犬として白羽の矢が立ったのです。このときは試合が流れてしまいましたが、ブルックはカーンを挑発し続け、2人の因縁の輪郭が形成されてゆきます。
日本のボクシングファンには、そこまで思い入れはありませんが、英国はもちろん、米国でも大きな注目を集めるライバル対決です。
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