2018年5月25日、井上尚弥はWBAセカンド王者ジェイミー・マクドネルを112秒で破壊すると、リング上からWBSS参戦を表明。

10月7日には、ファン・カルロス・パヤノを絶妙のジャブクロスで70秒KOでトーナメント1回戦を突破。

アルファベット団体の捏造ランカーではない、リング誌ランカー二人を合計182秒で撃ち落とした日本のモンスターの専門家評価は沸騰、軽量級への関心が低い欧米では一般的なボクシングファンの間では無名でも「マニアサークルのカルトヒーロー」と称されます。 

当時のリング誌はボクシング人気の長期低落に加えて、親会社のゴールデンボーイプロモーションの経営悪化から廃刊もささやかれ、多くの誌面がリストラ。米国で人気のない軽量級の記事はますます小さくなってしまいます。

日本のファンがシビれたパヤノ戦も3行記事で片付けられてしまいます。
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それでも、リング誌の深刻な経営難は束の間の喜びを日本のボクシングファンにもたらします。

歯止めのかからないボクシング人気の下落から名物コーナーが次々に消える一方で、MMAコーナーを新設、ロンダ・ラウジーをボクシング関係者以外から史上初の単独カバーに起用するなど迷走。

この波に乗って2019年には井上が2月号と9月号で単独カバー。

「リング誌を単独カバーした!」と喜ぶ私たちでしたが、リング誌のダグラス・フィッシャー編集長が「日本最高のクオリティーペーパー日本経済新聞が写真付きで封じた」「シュー・ツァンとの日中対決はメガファイトになる!それまでに日本語版と中国版を出版したい」と、私たち以上に喜び勇んでいるのを見てドン引きしてしまいます。

その後、井上はWBSS優勝を果たしますが、リング誌の表紙に少しでも顔を出すこともありません。 

そのWBSS、準決勝は事実上の決勝戦と見られたIBF王者エマヌエル・ロドリゲスとの一番。

世界獲得のポール・バトラー戦までは「最大の脅威」と考えられていましたが、バトラーとジェイソン・マロニー戦で詰めと気持ちの弱さを曝け出してしまいます。

レイマート・ガバリョ戦までの世界戦全4試合で、もれなくヘタレっぷりを発揮したロドリゲス。見てると気持ちが沈んでしまうボクサーで、ファイトマネーが5万ドル前後と低空飛行なのも頷けます。

そして、決勝もWBSSで最も下馬評が低かったノニト・ドネアが相手。「バンタム級には井上以外にロクなのがいない 」と、多くのファンは幻滅していましたが…。