現代ボクシングのトレンドは「(安易な)複数階級制覇」と「(複数の意味で)ハードルが高い完全統一王者(Undisputed Champion)」の二本立てです。
タイトルが4つに分裂した状態からUndisputed Championになるには最短で4試合、アルファベット王者を倒さなければなりません。
また、そこにはプロモーションの問題も横たわっています。対立するプロモーターが最も嫌うのは、共同でイベントを作り上げることです。
オリジナル8の時代は、世界王者は一人残らずUndisputed Championであり、Lineal Championでした。
WBAからWBCが分離独立した60年代末から、世界王者の二人体制が常態化、1983年にIBF、1988年にWBOが設立されて世界王座は四人乱立する異常事態に陥ります。
さらに、21世紀になると不要不急の暫定王者を乱発、休養王者やスーパー王者、ダイアモンド王者、フランチャイズ王者と同一団体が複数の世界王者を擁立する倒錯の世界が構築されてしまいます。
王者の数が多ければ多いほど、承認料ビジネスは儲かるわけです。承認団体に無駄なタイトルを作るな、と言うのは土台無理な話なのです。
IBFはタイトル濫造から距離を置きますが、規定の期間にタイトル戦を行わない場合はどんな理由があれタイトル剥奪、決定戦開催を急ぎます。
世界戦を組まないと儲からないのですから、IBFに「複数団体のベルトを持つ王者にとって個々の団体の防衛戦期限を守るのは難しいから融通を利かせろ」というのも間違いです。
そんな営利団体が主要と呼ばれるだけでも4つ、承認団体への批判の色を明確にしたリング誌ベルトも含めて5つのメジャータイトルが存在するのがボクシングの世界です。
Undisputed Championは、タイトルの一本化を意味しますから、承認団体が乗り気になるはずがありません。
しかし、80年代まで辛うじて残っていた世界王者の矜持と尊厳から同一階級の防衛記録を重ねるという習性は、現在のスター選手にはありません。
「安易な複数階級制覇」は、タイトルの大量生産と並んで世界王者の価値を貶めています。安易な複数階級制覇のキャリアの中で、Undisputed Championになることは箔を付けることにつながります。
明日のカネロはもちろん、井上尚弥もそうです。
大きな試合に不可欠のビッグネームがそもそもいない、さらに殿堂クラスの実力を持つボクサーが少ない、つまり「誰に勝ったのか」を追求しにくい軽量級でUndisputed Championにこだわるのは、ある意味で当然です。
そして、現在のスターボクサーはUndisputed Championを箔、キャリアのアクセント記念碑ととらえています。記念碑を建てたら、また上の階級を目指します。
つまり、タイトルはすぐ分裂状態に戻るのです。
承認団体からすると完全統一戦は大きな興行になることから実入りも増えます。Undisputed Championにその座を粛々と年2回ペースで守られると、承認団体にとって危機的な状況ですがそうはならないのです。
WBSSに端を発したクルーザー級のように、このScrap&Buildが短いスパンで繰り返されることは、承認団体にとって悪いことではありません。
Undisputed Championの誕生にとって大きな障害の一つであった承認団体の姿勢は、明らかに軟化しています。
4−Belt Era(4団体・同一団体王座濫造時代)にあって、完全統一路線が比較的容易に整備されつつあるのは、このような背景からです。
4−Belt Eraで誕生したUndisputed Championとその階級はミドル級(バーナード・ホプキンス→ジャーメイン・テイラー)、ジュニアウェルター級(2005年:テレンス・クロフォード/2021年:ジョシュ・テイラー)、クルーザー級(2018年:オレクサンダー・ウシク)、ライト級(2020年:テオフィモ・ロペス=WBCのフランチャイズを正統タイトルと認めるなら)の6人、4階級。
残りの13階級のうち、フライ級、バンタム級、フェザー級、ウェルター級、ライトヘビー級、ヘビー級のオリジナル8に数えられた6階級は、4−Belt EraでUndisputed Championを生み出せていないだけで、それ以前の時代でUndisputed Championを擁していました。
また、オリジナル8には入らないジュニアライト級と、ジュニアミドル級の3階級も1団体時代に存在していましたからUndisputed Championを抱えていました。
最後に残された4階級が、歴史上一度もUndisputed Championが存在した経験を持ちません。
それがストロー級とジュニアフライ級、ジュニアフェザー級、スーパーミドル級です。
この4階級で複数団体のベルトを保持するのは、スーパーミドル級のカネロ(WBA/WBC/IBF)と、ジュニアフェザー級のムロジョン・アフマダリエフ(WBA/IBF)。
ジュニアフェザー級は今月27日にWBCのブランドン・フィゲロアとWBOのスティーブン・フルトンの団体統一戦が行われますから、Undisputed Champion誕生の期待が膨らんでいます。
4団体が完全分裂状態のジュニアフライ級はリング誌とWBAの京口紘人、寺地拳四朗を大番狂わせで下したWBCの矢吹正道と日本人がベルトを保持。マッチルームが統一路線に興味を示しており、今後面白い展開が期待できそうです。
同じく完全分裂のストロー級は、統一の機運がまだ盛り上がっていません。
タイトルが4つに分裂した状態からUndisputed Championになるには最短で4試合、アルファベット王者を倒さなければなりません。
また、そこにはプロモーションの問題も横たわっています。対立するプロモーターが最も嫌うのは、共同でイベントを作り上げることです。
オリジナル8の時代は、世界王者は一人残らずUndisputed Championであり、Lineal Championでした。
WBAからWBCが分離独立した60年代末から、世界王者の二人体制が常態化、1983年にIBF、1988年にWBOが設立されて世界王座は四人乱立する異常事態に陥ります。
さらに、21世紀になると不要不急の暫定王者を乱発、休養王者やスーパー王者、ダイアモンド王者、フランチャイズ王者と同一団体が複数の世界王者を擁立する倒錯の世界が構築されてしまいます。
王者の数が多ければ多いほど、承認料ビジネスは儲かるわけです。承認団体に無駄なタイトルを作るな、と言うのは土台無理な話なのです。
IBFはタイトル濫造から距離を置きますが、規定の期間にタイトル戦を行わない場合はどんな理由があれタイトル剥奪、決定戦開催を急ぎます。
世界戦を組まないと儲からないのですから、IBFに「複数団体のベルトを持つ王者にとって個々の団体の防衛戦期限を守るのは難しいから融通を利かせろ」というのも間違いです。
そんな営利団体が主要と呼ばれるだけでも4つ、承認団体への批判の色を明確にしたリング誌ベルトも含めて5つのメジャータイトルが存在するのがボクシングの世界です。
Undisputed Championは、タイトルの一本化を意味しますから、承認団体が乗り気になるはずがありません。
しかし、80年代まで辛うじて残っていた世界王者の矜持と尊厳から同一階級の防衛記録を重ねるという習性は、現在のスター選手にはありません。
「安易な複数階級制覇」は、タイトルの大量生産と並んで世界王者の価値を貶めています。安易な複数階級制覇のキャリアの中で、Undisputed Championになることは箔を付けることにつながります。
明日のカネロはもちろん、井上尚弥もそうです。
大きな試合に不可欠のビッグネームがそもそもいない、さらに殿堂クラスの実力を持つボクサーが少ない、つまり「誰に勝ったのか」を追求しにくい軽量級でUndisputed Championにこだわるのは、ある意味で当然です。
そして、現在のスターボクサーはUndisputed Championを箔、キャリアのアクセント記念碑ととらえています。記念碑を建てたら、また上の階級を目指します。
つまり、タイトルはすぐ分裂状態に戻るのです。
承認団体からすると完全統一戦は大きな興行になることから実入りも増えます。Undisputed Championにその座を粛々と年2回ペースで守られると、承認団体にとって危機的な状況ですがそうはならないのです。
WBSSに端を発したクルーザー級のように、このScrap&Buildが短いスパンで繰り返されることは、承認団体にとって悪いことではありません。
Undisputed Championの誕生にとって大きな障害の一つであった承認団体の姿勢は、明らかに軟化しています。
4−Belt Era(4団体・同一団体王座濫造時代)にあって、完全統一路線が比較的容易に整備されつつあるのは、このような背景からです。
4−Belt Eraで誕生したUndisputed Championとその階級はミドル級(バーナード・ホプキンス→ジャーメイン・テイラー)、ジュニアウェルター級(2005年:テレンス・クロフォード/2021年:ジョシュ・テイラー)、クルーザー級(2018年:オレクサンダー・ウシク)、ライト級(2020年:テオフィモ・ロペス=WBCのフランチャイズを正統タイトルと認めるなら)の6人、4階級。
残りの13階級のうち、フライ級、バンタム級、フェザー級、ウェルター級、ライトヘビー級、ヘビー級のオリジナル8に数えられた6階級は、4−Belt EraでUndisputed Championを生み出せていないだけで、それ以前の時代でUndisputed Championを擁していました。
また、オリジナル8には入らないジュニアライト級と、ジュニアミドル級の3階級も1団体時代に存在していましたからUndisputed Championを抱えていました。
ジュニアバンタム級はWBA王者の渡辺二郎が1984年7月にWBC王者パヤオ・プーンタラトとの統一戦に勝利、WBAのタイトル剥奪は「試合終了=勝敗が決してから」という変則の形であったことから「瞬間的にUndisputed Champion」でした。
Undisputed Champion of The World!「議論する余地のないチャンピオン!」 のコールを聞いたことがない、という点ではそうですが…。
Undisputed Champion of The World!「議論する余地のないチャンピオン!」 のコールを聞いたことがない、という点ではそうですが…。
この1984年4月にIBFが初代王者決定戦を行い新垣諭が王者に就いていますが、この時点のIBFを主要団体に数えるのは無理があります。
最後に残された4階級が、歴史上一度もUndisputed Championが存在した経験を持ちません。
それがストロー級とジュニアフライ級、ジュニアフェザー級、スーパーミドル級です。
この4階級で複数団体のベルトを保持するのは、スーパーミドル級のカネロ(WBA/WBC/IBF)と、ジュニアフェザー級のムロジョン・アフマダリエフ(WBA/IBF)。
ジュニアフェザー級は今月27日にWBCのブランドン・フィゲロアとWBOのスティーブン・フルトンの団体統一戦が行われますから、Undisputed Champion誕生の期待が膨らんでいます。
4団体が完全分裂状態のジュニアフライ級はリング誌とWBAの京口紘人、寺地拳四朗を大番狂わせで下したWBCの矢吹正道と日本人がベルトを保持。マッチルームが統一路線に興味を示しており、今後面白い展開が期待できそうです。
同じく完全分裂のストロー級は、統一の機運がまだ盛り上がっていません。


コメント
コメント一覧 (1)
儲かるか?損するか?
ゴロフキンは価値を上げるために、完全統一、
どこで、誰と完勝しても、見返りが合わない
本当に気の毒です。
村田諒太戦が決まったら稼いでほしいものです。
渡辺二郎氏の世界統一戦は事情があり行いましたが、
高速の矢のごとしの瞬時でも完全統一です。快挙!
教えてくれていただき感謝!!
ありがとうございました。
IBFは当時未公認。マニアしかしらない
日本から隠ぺいされた団体。
ただ新垣諭 氏の存在を否定、しかも、
本人が申請したら、歴代王者に加える
JBCのエゴはヒドイ!
フシ穴の眼
が
しました