There's No Business Like Show Business

野球やサッカー、オリンピック。誰もが認める真剣勝負のスポーツとは違い、ボクシングは世界タイトルマッチがどういう仕組みで行われているのかすら曖昧で、今では世界王者が強いわけではないという、到底「スポーツ」の範疇にない、錯乱の見世物に成り下がっています。

スポーツなら世界一を決める舞台があり、そこでの注目度と報酬が一番高いはずですが、全くそうではないのがボクシングです。

まず、世界一を決める舞台がありません。

WBSSは不人気階級を狙って最強決定トーナメントをのべ5つの階級で開催しましたが、完全統一王者を生み出せたのは一つだけ、バンタム級で優勝した井上尚弥もa Champion のままです。

世界一を決める舞台がないのは大きな問題ですが、ボクシングど素人の試合に大きな注目が集められ、巨額の報酬が用意されることまであります。

ボクシングでは選手の技術と報酬は無視されることが当たり前にあるのです。

亀田興毅や那須川天心、米英の人気YouTuber…彼らは純粋な技術ではなく、野次馬の下品な欲求を刺激して、純粋な技術の争いを凌駕する商業的な成功を収めています。

これまでも、ボクシングの元世界チャンピオンが落ちぶれてキックボクシングや総合格闘技の世界に身を落とすことは珍しくありませんでした。

しかし、西城正三やリディック・ボウ、ジェームス・トニーらには、少なくとも経済的には堕ちてゆく者の悲哀がありました。

彼らは落ち武者でした。

しかし、最近の潮目は違います。

コナー・マクレガーやYouTuberらは、ボクシングではデビュー戦にも関わらず、ほとんどの世界王者を上回る大金を簡単に手に入れているのです。
 
ボクシングをはじめ、格闘技の興行のあり方がは、世界的に大きな変換期を迎えているのかもしれません。

そして、その方向はけして良い方向ではありません。

懸命に練習、努力して技術を磨いて這い上がろう…そういう真摯な思いで競技に取り組むのがバカバカしくなるような茶番劇がこれからも繰り返されるのだとしたら?…ゾッとします。

世界のボクシングも〝ライジン的〟な茶番に堕ちていくのでしょうか?

いいえ、もしかしたらもうすでにその禁断の坂を転がり落ちているのではないでしょうか。

これまで、リングの中で繰り広げられた程度の低い茶番劇を振り返ってみます。
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【事例①】2003年年12月31日 曙vsボブ・サップ

TBS系『K-1プレミアム2003人類史上最強王決定戦Dynamaite!!』のメインイベントとして、元横綱と売れないプロレスラーが対決。

試合前から各局のニュース番組でも取り上げられるなど、格闘技ファンを超えた話題を集めました。

最高視聴率は紅白歌合戦を上回る43%をマーク。

この茶番劇によって「格闘技に一般の生活者が興味を示すのは高等技術の応酬ではない」という事実が浮かび上がりました。

今後も白鵬や朝青龍レベルのビッグネームが茶番劇のリングに上がれば「井上vsドネア」を超える世間の注目を集めるでしょう。

オンライン調査開始以降、40%を超えたボクシングは具志堅用高(43.2%:vsハイメ・リオスなど)と亀田興毅(43.1%:vs 内藤大助)だけ、井上尚弥は論外で村田諒太でも40%超えはダブルスコアを付けられる大差、です。

ただ、純粋なスポーツ視点で43%を稼いだ具志堅がアスリートとしてどれだけ注目されていたのかを、あらためて印象付ける数字でもあります。 

※オフラインの数字しかないだけでなく、あまりにも次元が異なるので白井義男やファイティング原田の視聴率はここでは出しません。