拳銃で撃ち抜いたかのように一撃で相手を倒すGUNSLINGERたち。
今から7年前、2012年時点で世界最強の一打必倒のKOアーティストに選ばれたのは、もちろんノニト・ドネア。
第1位はフィリピーノ・フラッシュ!ノニト・ドネアです!
このときのドネアは27勝1敗。唯一の敗北はデビュー2戦目の5ラウンド判定負け。2012年から振り返ると11年も前のことですから、無敵の状態と言っても差し支えありません(ジュニアフェザーに上げてからは衰えやパワーの欠如が指摘されていましたが)。
27勝のうちKOは18。KO率は64.29%、軽量級としては高いKO率ですが、GUNSLINGERとしては物足りない数字かもしれません。
しかし、最初にお断りしているようにGUNSLINGERの基準は、たった一つしかありません。
レフェリーやセコンドを煩わせるテクニカル・ノックアウトは必要ありません。止められた相手が口を尖らせて不満を吐くような、そんな言い訳や負け惜しみを一切許さない、問答無用の一撃必殺の拳を持っているかどうか、それだけがGUNSLINGERに求められる資質です。
第1位はフィリピーノ・フラッシュ!ノニト・ドネアです!
このときのドネアは27勝1敗。唯一の敗北はデビュー2戦目の5ラウンド判定負け。2012年から振り返ると11年も前のことですから、無敵の状態と言っても差し支えありません(ジュニアフェザーに上げてからは衰えやパワーの欠如が指摘されていましたが)。
27勝のうちKOは18。KO率は64.29%、軽量級としては高いKO率ですが、GUNSLINGERとしては物足りない数字かもしれません。
しかし、最初にお断りしているようにGUNSLINGERの基準は、たった一つしかありません。
レフェリーやセコンドを煩わせるテクニカル・ノックアウトは必要ありません。止められた相手が口を尖らせて不満を吐くような、そんな言い訳や負け惜しみを一切許さない、問答無用の一撃必殺の拳を持っているかどうか、それだけがGUNSLINGERに求められる資質です。
ドネアがフェルナンド・モンティエルを仕留めたのは、確かにレフェリーによるTKOでした。
しかし、あの試合で本当に戦慄すべきは、レフェリーが止めたときに、コーナーロープからゆっくりとしかし真っ直ぐにフェルナンドに駆け寄ったモンティエルファミリーの諦観しきった姿でした。
弟を抱きしめたフェルナンドの兄たちは「私たちは大きな過ちを犯した」と下を向きました。
「予告通りに2ラウンドでKOされたのは戦略的にミスがあったのか?」。そう聞くインタビュアーに首を振り「ダウンした瞬間にタオルを投げるべきだった。弟がもがいて必死に立ち上がる姿に、タオルを投げれなかった」と泣きそうな顔で答えました。
物凄い一撃でした。そして、打たれ弱いとも言われていたフェルナンドがのたうちまわって立ち上がる姿には感動もしました。
血の気の多いはずの兄たちが無表情のまま、ロープをくぐって弟にゆっくりと真っ直ぐに歩を進める姿に、戦慄しました。
ドネアの「2ラウンドKO」 宣言に、まさに「弾丸で撃ち抜かれたってフェルナンドはそんな早いラウンドで倒れない」と怒りを隠さなかった兄たちが、リング上を駆け回るフィリピン人に一瞥もくれずに弟を抱きしめ「すまない」と謝ったのです。
マニー・パッキャオの左にリングで戦った時間の倍以上もキャンバスで眠っていたリッキー・ハットンは搬送される救急車の中で「パッキャオのパンチは見えていた」と絞り出しました。 誰が聞いても負け惜しみですが、その言葉があの試合の悲惨さに「おいおい」というちょっとした笑いをもたらしてくれました。
しかし、兄に寄り添われ無言のまま宙空を見つめて立ち尽くすフェルナンドの佇まいは、惨劇の被害者にしか見えませんでした。

GUNSLINGERの資格は、冷酷に引き金を引ける残忍さを持ち合わせていることです。
自らのパンチに耐え続けて崩れ落ちたデヴィッド・ディアスを「Are you Allright?」と心配そうに両のグローブで助け起こし、眼窩底骨折が明らかであと1発撃ち込めば眼窩底が複雑に砕け散るアントニオ・マルガリートにトドメを刺せず、レフェリーに「マルガリートを見ろ!(骨折してるだろう!?)」と目配せするパッキャオはGUNSLINGERではありません。
残酷な引き金を躊躇なく引けるのがGUNSLINGERです。
だから、パッキャオはこの10傑にはお呼びではありません。パッキャオは素晴らしいボクサーです。引き金を引けないボクサーが世界に一人くらいいても構いませんが、みんながみんなそうなってしまうと、このスポーツは滅亡します。
パッキャオの慈悲、メイウェザーの退屈、どちらもボクシングを滅ぼす猛毒です。慈悲深い強打、退屈な完璧 、よくよく考えたらどっちもこのスポーツではあってはいけない最悪です。
パックメイみたいなのしかいなかったら、ボクシングはもっと没落してて間違いなく滅びています。ドネアみたいなのが溢れたら、ボクシング界はもっともっと活気づくでしょう。
モンティエル一家にとって最も屈辱的な瞬間を演出しながら歓喜にリングを駆け回ったドネアには、パックのくだらない慈悲も、メイの疎ましい退屈とも無縁です。
喜びすぎて、倒れたモンティエルを踏まないように跨ぐドネアの足は、勝者と敗者のコントラストを鮮烈に色分けて踊る2本の絵筆でした。
ドネアについて、凄まじい数字があります。18のKOのうち10までが3ラウンド以内だったことではありません。
モンティエル戦までの12試合を10KO、その全てが「あの左フック」でフィニッシュしているのです。
弟を抱きしめたフェルナンドの兄たちは「私たちは大きな過ちを犯した」と下を向きました。
「予告通りに2ラウンドでKOされたのは戦略的にミスがあったのか?」。そう聞くインタビュアーに首を振り「ダウンした瞬間にタオルを投げるべきだった。弟がもがいて必死に立ち上がる姿に、タオルを投げれなかった」と泣きそうな顔で答えました。
物凄い一撃でした。そして、打たれ弱いとも言われていたフェルナンドがのたうちまわって立ち上がる姿には感動もしました。
血の気の多いはずの兄たちが無表情のまま、ロープをくぐって弟にゆっくりと真っ直ぐに歩を進める姿に、戦慄しました。
ドネアの「2ラウンドKO」 宣言に、まさに「弾丸で撃ち抜かれたってフェルナンドはそんな早いラウンドで倒れない」と怒りを隠さなかった兄たちが、リング上を駆け回るフィリピン人に一瞥もくれずに弟を抱きしめ「すまない」と謝ったのです。
マニー・パッキャオの左にリングで戦った時間の倍以上もキャンバスで眠っていたリッキー・ハットンは搬送される救急車の中で「パッキャオのパンチは見えていた」と絞り出しました。 誰が聞いても負け惜しみですが、その言葉があの試合の悲惨さに「おいおい」というちょっとした笑いをもたらしてくれました。
しかし、兄に寄り添われ無言のまま宙空を見つめて立ち尽くすフェルナンドの佇まいは、惨劇の被害者にしか見えませんでした。

自らのパンチに耐え続けて崩れ落ちたデヴィッド・ディアスを「Are you Allright?」と心配そうに両のグローブで助け起こし、眼窩底骨折が明らかであと1発撃ち込めば眼窩底が複雑に砕け散るアントニオ・マルガリートにトドメを刺せず、レフェリーに「マルガリートを見ろ!(骨折してるだろう!?)」と目配せするパッキャオはGUNSLINGERではありません。
残酷な引き金を躊躇なく引けるのがGUNSLINGERです。
だから、パッキャオはこの10傑にはお呼びではありません。パッキャオは素晴らしいボクサーです。引き金を引けないボクサーが世界に一人くらいいても構いませんが、みんながみんなそうなってしまうと、このスポーツは滅亡します。
パッキャオの慈悲、メイウェザーの退屈、どちらもボクシングを滅ぼす猛毒です。慈悲深い強打、退屈な完璧 、よくよく考えたらどっちもこのスポーツではあってはいけない最悪です。
パックメイみたいなのしかいなかったら、ボクシングはもっと没落してて間違いなく滅びています。ドネアみたいなのが溢れたら、ボクシング界はもっともっと活気づくでしょう。
モンティエル一家にとって最も屈辱的な瞬間を演出しながら歓喜にリングを駆け回ったドネアには、パックのくだらない慈悲も、メイの疎ましい退屈とも無縁です。
喜びすぎて、倒れたモンティエルを踏まないように跨ぐドネアの足は、勝者と敗者のコントラストを鮮烈に色分けて踊る2本の絵筆でした。
ドネアについて、凄まじい数字があります。18のKOのうち10までが3ラウンド以内だったことではありません。
モンティエル戦までの12試合を10KO、その全てが「あの左フック」でフィニッシュしているのです。
その瞬間、ドネアはサウスポーのポジションになることもあります。レコード針のように爪先立って滑らかにリングを旋回し、そのタイミングを計る姿はGUNSLINGERというよりも居合斬りの達人と言った方が的を得た表現かもしれません。
日本びいきのドネアのことです。「GUNSLINGERよりも居合斬りの達人の方がいい」と笑うに決まっています。
それにしても、あの左フック。よく言えば恐るべき信念と必殺の拳。斜めに見ると何というマンネリ、ワンパターン。
日本びいきのドネアのことです。「GUNSLINGERよりも居合斬りの達人の方がいい」と笑うに決まっています。
それにしても、あの左フック。よく言えば恐るべき信念と必殺の拳。斜めに見ると何というマンネリ、ワンパターン。
ミケランジェロやゴッホ、ピカソ…彼らに共通するのは恐るべき一貫性です。ドネアの左フックのように彼らの絵筆やノミにも魂の一直線が背骨のように通っているのです。
絵画や彫刻、芸術の知識などヒトカケラも持ち合わせない低脳な私でもこれだけはわかります。
ドネアの左フックは芸術です。
最高傑作のビック・ダルチニアンとの初戦を持ち出さなくとも、ドネアの個展はいくらでも開けます。しかも展示されるのは左フックだけです。
ドネアとピカソの最大の違いは、ピカソが91歳まで現役のファイター、芸術家だったことです。
ピカソを思えばドネアはまだ36歳。「(12年前の)ダルチニアン戦が最高傑作」 と呼ばれることに、本人は忸怩たる思いがあるでしょう。
日本のボクシングファンは夢想もしてはいけないことですが、36歳のドネアがどんなに不細工な内容でも、どんなに幸運な大逆転でも、11月7日に大番狂わせを起こせば、それを最高傑作と呼ぶことを誰が諌めるでしょうか。
ーーさらさらっと電車の中で書こうと思ってたものですが、長くなりました。
そして、しかし、ここまでが前置きです。
本文は「もし、この特集を7年後の今企画していたなら1位のスポットには井上尚弥が選ばれている!」というテーマで、2019年現在のGUNSLINGERS を独断で選びました!という流れです。
まだまだ続きます。

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