ゴルゴ13のコミックスが200巻を数えました。ビックコミックに連載がスタートした1968年から、足掛けなんと53年。

デューク東郷の年齢は第一話時点で35歳としても、現在88歳、稀代のスナイパーも米寿を迎えていることになります。
どんな物語にも必ず、終章があります。
さいとう・たかをも「最終回の内容は決まっている」と明かしています。
永遠に思えるものにも、必ず最後は訪れるのです。

今年43歳になるマニー・パッキャオはデューク東郷の半分にも満たない年齢ですが、プロキャリアは27年目。
消耗の激しい過酷な職業で、キャリア前半を命のやり取りをするかのような打撃戦でメキシコ系のボクシングファンのハートを鷲掴みにし、アジアに対する自虐に塗れていた日本のボクシングファンの胸を何度も昂らせてくれました。
同じ黄色人種が世界的な強豪、ピッグネームを次々に撃破して、ついに米国ボクシングの花・ウェルター級でスーパースターの頂点に立ちました。
「パッキャオが凄いんであって、アジアが凄いわけじゃない、日本人が凄いわけじゃない、ましてやお前が凄いわけじゃない」…。
それは、わかっていても、米国の大会場でBサイドのアンダードックにもかかわらずスター選手をことごとく撃ち落とす勇姿に「見たか!これがアジアの拳だ!」(ボクシングマガジン)の大見出し通りに、我がことのように何度も興奮してしまいまいました。
私にとって、80年代の絢爛豪華なリングが世界のボクシングとの出会いでした。
90年代が深まると、面白い試合もあったのに退屈さを抑えられなくなります。
もちろん、常軌を逸した王者乱造にも辟易しました。
米国リングを支配するスター・システムのルールが、より厳格に施行されてゆくこと、スターは作られるということへの不満もありました。
そんな台本通りの寸劇が粛々と進められている米国リングに、左拳一つで乗り込んだのがマニー・パッキャオです。
アジアが紡いだ最強の神話も、ついにファイナル・チャプターに突入しています。
現在、上院議員とプロバスケットボール選手、そしてボクサーと、三つのワラジを履く43歳のフィリピン人ですが、来年の大統領選挙出馬となると「当選したら大統領職だけに集中する」と公約せざるを得ません。
「今年2試合」という意気込みも、テレンス・クロフォード戦が決定なら、そこで惨敗→引退を強いられるという見方もあります。
今のパッキャオではクロフォードは倒せない、というのが大方の予想です。
ESPNでも「パッキャオはレームダック。過去の業績が凄まじいだけで今は張り子の虎」と決めつけられています。
アジアの神話にも終わりの刻が、間違いなく近づいています。
それでも、ランチビールを飲みながら、ふと思い直しました。
大体、クロフォードなんかに負けるか?あいつ、ウェルター級で強いヤツに勝ったことが一度でもあるか?
それに「大統領になってもボクシングを続ける」と宣言した方が当選確率が上がるような…。
というか、そもそも超がいくつも付く泡沫候補です。当選するわけがないので、プロボクサーを続けるでしょう。
…どっちにしても、長い長い、ファイナル・チャプターになりそうです。
サザエさんは1946年に新聞漫画として始まり、原作者の長谷川町子が亡くなってからも、テレビアニメはまだまだ終わる気配がありません。
1946年当時、サザエさんが25歳だったとすると、今年でちょうど100歳の誕生日を迎えているはずです。
終わらない物語の一つや二つ、あったっていいのかもしれません。


