1950年代後半から1960年代。

自分が全く知らない、伝え聞いた時代。

カシアス・クレイがローマ1960で金メダル、プロでも世紀の大番狂わせでソニー・リストンを破って、イスラム改宗、モハメド・アリになった時代。 

日本では白井義男の世界タイトル挑戦のためにJBCが設立され、毎日ゴールデンタイムにボクシング番組が中継されていた時代。

ファイティング原田が驚異的な視聴率をマークして、国民的英雄だった時代。

日本王者や東洋王者が、プロ野球のタイトルホルダーか、それ以上に有名だった時代。

メジャーリーグも欧州サッカーも遠い異国の夢物語だった時代。 

日本列島が「明日は今日より素晴らしい」と信じて坂の上の雲を目指して一心不乱に駆け上がった時代。 

ボクシングの世界戦は国民的行事であり、地上波生放送が当たり前だった時代。

ゴジラやウルトラマンに「シン」とか面倒臭い説明など不要だった時代。
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WOWOWやDAZN、Amazonプライム…昭和は遠くなりにけり。

令和は、スポーツは誰が観るのか、ではなく誰が買えるのか、の時代。

選ばれた世界戦だけがボクシングファンの目に触れて、そうでない世界戦は埋没してゆく時代。

4月9日の村田諒太に続いて、明日の井上尚弥もAmazonプライムが独占生配信します。

来月13日の井岡一翔はTBSが地上波生中継するのが、新鮮に感じてしまうまでに、ボクシングは一般のスポーツファンから離れようとしています。

私は、ボクシングが本当にメジャーだった時代を知りません。

具志堅用高は国民的英雄と呼んで差し支えありませんでしたが、他の世界王者がそれに準じるステイタス、リスペクトを集めていたかとなると、そうではありませんでした。

亀田興毅は具志堅並みの視聴率を叩き出しましたが、彼への注目は日本王者や東洋王者らを土台にしたピラミッドの頂点ではなく、突然現れた砂上の楼閣でした。

また、具志堅に寄せられたリスペクトとは真逆の、野次馬の侮蔑が浴びせられたからの注目でした。

ボクシングの世界に美しいピラミッドが屹立していた時代を回顧し、令和の行方を考えてみます。