2022年6月7日 さいたまスーパーアリーナ

世界バンタム級団体統一戦

リング誌/WBA/IBF王者:井上尚弥 
vs    
WBC王者:ノニト・ドネア
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2019年11月7日のWBSSバンタム級トーナメント決勝以来、ちょうど31ヶ月ぶりの再戦です。

今月29歳になった井上と、39歳のドネア。

前回同様、BATTLE OF THE AGES(世代の戦い)ですが、初戦とはかなりニュアンスが違います。

世代の戦いのメインテーマは「早すぎたのか?それとも遅すぎたのか?」。

初戦では、全盛期に入った井上と、完全に峠を越えたドネア。「ドネアにとって井上と戦うにはあまりにも遅すぎる」と、誰もが確信していました。

現実は、井上は勝利を収めましたが、2ラウンドに「左だけは注意する」と警戒マックスしていたドネアの必殺パンチを被弾、眼窩底骨折を負わされてしまいます。

第9ラウンドにはドネアの右でダウン寸前に陥るピンチもありましたが、11ラウンドに左ボディを斬り込んでダウンを奪い、試合を決定づけました。

戦前は「ドネアにとって遅すぎた」と見られたBATTLE OF AGEは、多くのメディアからFight Of The Year=年間最高試合賞=に選出されたことからも分かるように「2人にとって絶好のタイミングに近かった」という激闘でした。

そこから31ヶ月、2年7ヶ月経った今回の再戦。

2年7ヶ月というのは、29歳になった井上には充実した経験と技術向上の時間で、39歳まで老いたドネアにとっては、全盛期のPFPファイターと対峙する戦力のほとんどを失ってもおかしくない時間です。

前回ですら「遅すぎる」と悲観されていたのですから、常識では今回の試合はドネアにとって悲惨な結末しか予想出来ません。

常識では、そのはずなのですが…。
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今回のオッズは井上勝利が1/4=1.25倍、ドネア18/5=4.6倍。

前回の井上1/10=1.1倍、ドネア11/2=6.5倍から明らかに接近しているのです。

井上はドネア①のあと、ジェイソン・モロニー、マイケル・ダスマリナス、アラン・ディパインの3人から圧倒的な内容でKO勝利。この間、PFPランキングは下がったものの、井上の評価自体は高止まりしています。

一方のドネアはWBC王者ノルディーヌ・ウバーリ、WBC暫定王者レイマート・ガバリョを破壊、その評価を高騰させて再戦に臨みます。

高止まりの井上に、高騰のドネアが詰め寄っているというのが、オッズや戦前予想の差が縮まっている原因です。

それにしても、ドネアの衰え知らずは驚異的です。

①軽量級はより早い段階でより深刻に経年劣化する、②ジュニアフェザー級とフェザー級で通用せずに2階級落としてのバンタム級出戻りという、常識的には確実に脆弱化する要素を抱えているにもかかわらず、ドネアは39歳にして第二のプライムタイムを迎えているようにすら見えます。

再戦での井上有利の根拠は、上の階級でのドネアの敗北イメージと、39歳という年齢です。

ドネアがバンタム復帰後に見せたパフォーマンスを無敗の25歳がやってのけていたとしたら、五分五分に近いオッズや予想になっていたでしょう。

しかし、「上の階級での敗北」「39歳という年齢」は、戦力比較の材料としては間接的で状況証拠的なものでしかありません。

初戦も含めたこの31ヶ月の両者のパフォーマンス、つまり直接的で確定証拠的な材料から、勝敗予想や賭け率をあらためて考え直すと…もしかしたら五分五分ではないかもしれません。

ドネアもまた、モンスターです。

もちろん、ドネアに残された時間が少ないことは間違いありません。第二のプライムタイムが6月7日に、凄惨な形で終焉することも十分に考えられます。