WBAミドル級スーパーチャンピオン村田諒太の特殊性は「日本人であること」に集約されます。

とはいえ、五輪金メダルは桜井孝雄、世界ミドル級王者は竹原慎二といずれも日本人史上2人目に〝過ぎません〟。

しかし、五輪金メダルは欧米で人気のミドル級で獲得したことが、桜井のバンタム級とは全く違う価値を持つことに異論がある人は皆無でしょう。

アマチュアボクシングへの関心が低い日本でも「ミドル級で五輪金メダル」が何を意味するのかは、米国ボクシングを強烈に憧れた人なら簡単に理解出来るはずです。

モハメド・アリやジョージ・フォアマン、シュガー・レイ・レナード、オスカー・デラホーヤ、アンドレ・ウォード…。

人気階級で金メダルを獲った彼らが特別であることを私たちは知っていましたが、そんな才能が貧弱なこの国に授けられるとは夢にも思って見ませんでした。

村田諒太は「特別な日本人」でした。
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もちろん、プロでミドル級のタイトルを獲るのも五輪ほどではないものの、至難であることは変わりません。

最初に、この高嶺に咲く花を捥ぎ取ったのは竹原慎二でした。

1995年12月19日、後楽園ホール。

WBA王者ホルヘ・カストロは、日本ではいつもの如く「アルゼンチンの怪物」と紹介されていましたが、世界的にはchump(穴王者)。

昨年、カムバックした45歳のセルヒオ・マルチネスが2010年にケリー・パブリックを大番狂わせで破ってWBCとWBO、そして何よりもLineal Champion の座を奪取したとき「アルゼンチン人としてはカルロス・モンソン以来の世界ミドル級王者」と報じられました。

日本のボクシングファンからしたら「カストロを忘れるな!」と言いたいところですが、カストロはアルファベット団体の王者として紹介されるにとどまっていました。

しかし、モンソンもカストロも、マルチネスもアンダードッグながら番狂わせで王座に就いたことは奇妙に共通しており、カストロは強豪王者とはお世辞にも言えないものの、けして侮れないタフガイでした。

何よりも、穴王者でもミドル級です。マービン・ハグラーを中心にトーマス・ハーンズやロベルト・デュラン、シュガー・レイ・レナードが総当たりの決闘を繰り広げた、あのミドル級です。

世界中のボクシングファンを熱狂させてから、まだ10年も経っていなかった、ミドル級です。

いつも日本人を贔屓してくれるボクマガの展望は「無責任なようだが、いちかばちかの打ち合いに持ち込む以外、道はない」と、もはや予想を放棄したかのようでした。

当時のミドル級はIBFがのちの〝エイリアン〟バーナード・ホプキンス、WBCがスピード自慢のクインシー・テイラー。

「アジアでなんとかNo.1」だった竹原が世界王者になるには「あの日あのときのカストロ」以外はありえませんでした。

翻って、村田です。4団体時代となり世界王者や世界ランカーは一気に希釈されましたが、強打の日本人が世界基準にあることは明白です。

前年度にESPNの年間最高KO賞に輝いたアッサン・エンダムや、WBSSスーパーミドル級でも戦ったロブ・ブラントらと、アジア基準の竹原が互角に戦えるとは考えられません。

もちろん、日本中のボクシングファンの度肝を抜いて日本人初のミドル級王者となった竹原の偉業が霞むことはありません。階級難易度を考慮するなら、日本歴代PFP10傑にも数えられるでしょう。

ただ、アルファベット団体の挑戦者相手ならオッズも予想も圧倒的有利と推される村田とは、ステージの違うボクサーです。

村田諒太は「特別な日本人」なのです。



さて、今夜はちょっといつもと体裁の違う表をご覧ください。いつもと違う場所、違うタブレットで時間つぶししてます。

今日「1月12日の世界の階級別プロボクサー人口最新版」です。
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ある基準で色分けしました。意味のあるものじゃないし、まず当たらないと思いますが、思いついた方はかなり鋭いボクヲタです。

※ブリッジャーはお遊びで入れたので無視してください。

くだらない問題で失礼。

↓この表でお分かりでしょう。↓

左端は「Population(競技人口の順番)」、その右隣が「Weight(重さの順番)」。

一番右端が、「重さ」と「競技人口」の順位を差し引きした「Gap(乖離)」です。
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ちょっとシラフじゃないので「こいつ、何言ってるのかわからん」という人に欠落しているのは「gentleness(優しさ)」じゃ。

今更、答えを滔々と説明するのもまどろっこしいですが、黄色グループは「重さ」と「競技人口」が一致しているクラスです。

これを「Gap」の順番に並べ替えると、こうなります。↓
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なんと、1位はウェルターではありません。そして「最も層が厚い」という常套句でくくられるミドル級は重さで5位、競技人口で6位で「−1」。

この数字からは「最も層が厚い」とは到底言えませんが、このブログでずっと引っ張ってますが、やはり文句なしに「ミドル級は最も層が厚い」のです。

だったら、この数字は何なんだ?!ってはなしですね。


超軽量級でくくられるストローからジュニアフェザーの6階級は、バンタムまでは「重さ」の順番と「競技人口」が一致していますが、ジュニアフェザーは「重さ」は11番目にもかかわらず、「競技人口」は10位、そのギャップは「+2」と堂々の緑色グループです。

この表から、何が読み取れるでしょうか?

ミドルも含めた重量級5クラスの競技人口が「ウェルターを挟んだ3階級のどれよりも少ない」という事実は「ライトヘビーやクルーザーは、ジュニアウェルターやジュニアミドルよりもレベルが低い」ということにはつながりません。

「ヘビー級の競技人口はフェザー級よりも少ない」というのは一面的な事実ですが「フェザー級の方が競争が厳しい」と考える人は世界中に1人もいないでしょう。

大学入試の競争率のようなものです。重要なのは「分母の大きさ」ではありません。

そして、ボクシングのようなチャンピオンシップ制度を敷いた競争では「誰がトップにいるのか?」が全てです。

この表をみるまでもなく、超軽量級、特にストロー級はレベルが低いと決め付けたくなりますが、それは大間違いです。

このブログの読者の方は「競技人口が分厚い=階級攻略難易度が高い」という等式が成立するほど、ボクシングの世界は浅くない、ということはお分かりだと思います。

「ローマン・ゴンザレスとアンディ・ルイスJr.のどちらが優れたボクサーか?」。

この問いを「階級が違うから何とも言えない」なんて綺麗事の言葉で濁す奴は、もうここに来なくてもよろしい。


ああ、そして。

「村田諒太は『特別な日本人』なのです。」なんてことを書いた私が、やっぱり「フシ穴」だったと悔恨する日が早く訪れますように。



もうすぐ日付が変わります。そうなると「1月12日の世界の階級別プロボクサー人口最新版」がウソになるので、このへんで。

おやすみなさいませ。。。。

そして、ようやく待ち人来たり。わしは家に帰れるのであろうか。。。。